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2014年06月19日

[ゴードン・ハミルトン(Gordon Hamilton)]

ゴードン・ハミルトン(Gordon Hamilton)

アメリカのケースワーカーで社会福祉の研究者であるゴードン・ハミルトン(Gordon Hamilton, 1892-1967)は、先達のM.E.リッチモンド(M.E.Richmond)が個別の社会的困窮者を支援するための社会福祉の実践方法として考えた『ケースワーク(casework)』を理論的・科学的に整理して運用可能にした人物である。

ゴードン・ハミルトンは豊富な臨床経験・援助体験を持っているだけではなく、社会福祉活動やケースワークの方法論を普及させるための教育活動や調査研究にも力を入れていた。G.ハミルトンはそれまで経験や勘(直感)に頼りがちだった社会福祉援助のケースワークに、『科学的根拠・専門的対応・理論的体系』を導入する活動を熱心に行った。

G.ハミルトンは、要支援者が必要としている援助・支援のあり方を科学的に判定する精神医学モデルを参照した『診断主義的ケースワーク(diagnostic casework)』を目指して、診断主義的ケースワークの理論体系・実践方法を構築するための著作・論文を数多く書いている。G.ハミルトンには、ケースワークのバイブル(模範的な教科書)とも言われた『ケースワークの理論と実際(Theory and Practice of Social Casework)』という代表的な著作がある。

ハミルトンは機能主義的心理学からの反論に現実的な態度で応答しながら、当時隆盛していた力動心理学であるS.フロイトの精神分析理論をケースワークにも導入している。ハミルトンはケースワークを理論的に精緻化しただけではなく、大学機関・専門学校などにおける社会福祉教育のカリキュラムに『実践的方法論としてのケースワーク』を組み入れることに貢献して、将来のソーシャルワーカーやケースワーカーを養成するための専門職業教育を充実・発展させていったのである。

個別の社会的困窮者やその家族のニーズを捉えて的確に支援するために、ハミルトンは『個別面接』の必要性と効果を強調して、ソーシャルワーク(社会福祉援助活動)の一部であるケースワークを『クライエントとなる個人・家族の現実を再発見し続ける場』として定義し直した。絶えず移り変わるクライエントの生活状況や心理状態、社会適応などを客観的に観察しながら、その時々のクライエントのニーズを正しく把握して、そのニーズを満たして主体性・自立性を促進するための支援プログラムを策定していくのがケースワーカーの重要な仕事なのである。

診断主義的ケースワークでは、『科学的方法論の確立』と『実践的支援法の有効性』だけが課題になっているのではなく、『個別のクライエントや家族の心理社会的な悩み』にも耳を傾けながら、その悩みを効果的に軽減していく支援の方法やカウンセリングも含めた対人援助の枠組みが求められている。



posted by ESDV Words Labo at 15:51 | TrackBack(0) | は:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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