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2014年07月09日

[フレデリック・パールズ(Frederick S. Perls):2]

フレデリック・パールズ(Frederick S. Perls):2

1962年にパールズ夫妻は世界旅行に出発して、日本にもやって来て東京と京都を訪れている。古都・京都の仏教文化や街の風情を気に入ったパールズは、大徳寺に2ヶ月間も滞在して座禅修行に取り組んだというが、ゲシュタルト療法には元々、東洋思想的な瞑想や座禅、心身一如などの要素が取り込まれていた。フリッツ・パールズは東洋の仏教思想や神秘主義にも関心を持っており、瞑想的な精神統一や心身の気づきの技法をゲシュタルト療法にも採用している。

フレデリック・パールズ(Frederick S. Perls):1

ゲシュタルト療法は、ユージン・ジェンドリンのフォーカシングやカール・ロジャーズの来談者中心療法(クライエント中心療法)と共に、『人間性心理学(ヒューマニスティック心理学)』に分類されることが多い。

F.パールズは世界旅行を終えた後に、エスリン研究所のレジデントとして採用され、この研究所では仏教思想・ヨガ・瞑想・神秘主義・宗教的体験などの東洋思想を、心理療法(サイコセラピー)や集団精神療法(エンカウンターグループ)と結びつけようとする創造的な研究に取り組んでいた。

1965年にゲシュタルト療法の教育ビデオ“Three Approaches to Phychotherapy(グロリアと3人のセラピスト)”が収録され、その第二部として『パールズのインタビュー(編者とパールズそれぞれの解説を含めて32分間)』が録画された。1970年3月28日に、ヨーロッパ旅行から帰国したパールズはニューヨークで死去したが、後に判明した死因は膵臓がんであった。最晩年のパールズの著作に、『ゲシュタルト・セラピー・ナウ(1970年)』がある。

ゲシュタルト療法の最大の特徴は、『過去の感情・体験・記憶の分析』を重視する精神分析に対して、『“今・ここ”における気づきと再決断』を重視することであり、『知的・言語的な理解』よりも『体験的・実際的なロールプレイング(役割演技)』によってクライエントの感情的な苦悩を解放しようとすることである。過去の記憶や情緒に振り回されないことを、『「今」の原則(principle of the now)』と呼んだりもする。

ゲシュタルト療法は、カウンセラーとクライエントが1対1で向き合う『個人精神療法』よりも、複数の人たちがワークショップ形式(勉強会・講義の形式)で参加する『集団精神療法(グループセラピー)』として実施されることのほうが多い。

ドイツ語のゲシュタルト(gestalt)とは『全体性・形態』を意味する言葉であり、ゲシュタルト療法の治療目的は『人格機能の全体的・自律的な統合』『精神と身体のバランスの取れた統一』にある。クライエントが自分自身で『今・ここにある自分』と向き合って、問題解決的な行動を取れるようになることを目指す。

ゲシュタルト療法の精神構造モデルとして『五つの層(five layers)』があるが、五つの層における精神的な閉塞や自我の鬱屈を克服した本物の自我の状態のことを『オーセンティック・セルフ(authentic self)』といい、ゲシュタルト療法は中核的な自我であるオーセンティック・セルフに到達して自己実現に近づくことも目的にしている。

ゲシュタルト療法の基本原則や対人関係の捉え方について箇条書きしたものに、『ゲシュタルトの祈り』と呼ばれるものがあり、ワークショップで復唱することがある。

ゲシュタルトの祈り

私は私のために生き、あなたはあなたのために生きる。

私はあなたの期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。

そしてあなたも、私の期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。

もしも縁があって、私たちが出会えたのならそれは素晴らしいこと。出会えなくても、それもまた素晴らしいこと。



posted by ESDV Words Labo at 10:52 | TrackBack(0) | は:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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