ドナルド・H・ブラッカー(Donald H. Blocher)とスクールカウンセリング:2
ドナルド・H・ブラッカーは1959年に教育心理学専攻でミネソタ大学大学院を卒業してPh.D.(学術博士号)を取得し、高校の社会科教師やカウンセラーの仕事に短期間ではあるが従事した。その後に大学に戻って、1960年にミネソタ大学助教授になり、1963年に準教授、1967年からは心理学部の教授を長年務めた。1977年からは、大学の教育相談・学生相談にも積極的に関与するようになり、カウンセリング心理学の教授と学生部長の仕事を担っていた。
ドナルド・H・ブラッカー(Donald H. Blocher)とスクールカウンセリング:1
ドナルド・H・ブラッカーの開発的カウンセリングが、学校の教育相談(現在のスクールカウンセリング)に応用される時には、『開発的・予防的・治療的教育相談』の3つに分類して考えられることがある。
現在の教育相談は『開発(発達の支援)』か『治療(疾患の治療・問題の矯正)』かの二元論を回避して、開発(心理教育)と治療(問題解決)を連続的な対人援助方法として考える『学校心理学(school psychology)』をベースにしている。
開発的教育相談……すべての学生・生徒を対象にした教育相談で、それぞれの生徒の潜在的な能力・資質・感情を発達させて、良好な友人関係・学習指導・進路選択などにつなげていくもの。
予防的教育相談……潜在的な問題・悩みを抱えている学生・生徒を対象にした教育相談で、学習の遅れ(課題学習の躓き)・学校の友人関係・家庭の親子関係などの問題に対応していく。
治療的教育相談(問題解決的教育相談)……非行・いじめ・学級崩壊・粗暴傾向・不登校・ひきこもりなどの問題が顕在化している学生・生徒を対象にした教育相談で、支持的・指示的なカウンセリングや治療プログラム(矯正プログラム)に基づいた集中的な指導が行われる。
学校心理学を基盤とする教育相談(心理教育的な援助アプローチ)は、『一次的関与(すべての生徒を対象)』『二次的関与(一部の生徒を対象)』『三次的関与(特定の生徒を対象)』に分けることができ、それらはそれぞれ『開発的・予防的・治療的な教育相談のレベル』に対応しているとされる。

