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2014年10月04日

[ザーカ・モレノ(Zerka Moreno)]

ザーカ・モレノ(Zerka Moreno)

ザーカ・モレノ(Zerka Toeman Moreno, 1917-)は、ロールプレイング(役割演技)を応用した治療的な演劇『サイコドラマ(心理劇)』を開発した、ヤコブ・レヴィ・モレノ(Jacob Levy Moreno, 1892-1974)の妻で彼女自身も心理療法家として活躍した。オーストリアのウィーンからアメリカへと夫婦で渡米し、その後はアメリカを心理療法実践の活動拠点としながら、日本を含む世界各地で心理劇(サイコドラマ)の体験的なワークショップを行った。

ザーカ・モレノは1972年に夫のヤコブ・レヴィ・モレノが死去してからは、ヤコブの最良の優れた後継者となり、更なる『心理劇(サイコドラマ,psychodrama)』の発展と普及に大きな貢献をしている。心理劇(サイコドラマ)は複数のクライエントが演劇のような役割演技(ロールプレイ)に参加して、自分が今まで抑圧してきた感情・思考・苦悩を生き生きと表現してカタルシス(感情浄化)を得ることができるという『集団精神療法・エンカウンター』の一種として知られている。

心理劇(サイコドラマ)を実施することによって、個人の自発性(参加意欲)の向上や情動的な創造性、感情表現力、対人関係への適応性、コミュニケーションスキルの向上などの効果を実感することができる。

サイコドラマは『監督(director)・主演者(protagonist)・観客(audience)・補助自我(auxiliary ego)・舞台(stage)』という5つの構成要素から成り立っており、主演者が三段になった円形劇場の舞台で自発性・創造性・感情表現を生かした即興の演劇を生き生きと演じるという内容になっている。

主演者は『主役・脇役・敵役』などの様々な役割を演じる『心理的苦悩(過去の苦痛・トラウマ)をテーマにした演技』を行って、自分の感情や思考、記憶、経験などをありのままに演劇の中で表現していくことになる。その後で、監督と監督を補佐する補助自我が、主演者に対して適切なインタビューと共感的傾聴を行っていくのだが、この時に主演者は『今・ここでの演技を通して何に気づいたか、何を感じて何が変わったか』について率直な意見を述べることになる。

個人の心理的苦悩を緩和する『サイコドラマ(心理劇)』や社会的関係性の改善を図る『ソシオドラマ(社会劇)』では、ロールプレイングの役割演技の枠組みの中でエンカウンターのように『ホンネの自己(感情・主張)』をありのままに表現し伝えようとする姿勢が重要になる。

J.L.モレノの心理療法の実質的後継者である妻のザーカ・モレノは特に、自分の率直な飾らない感情や意見をそれとなく表現することが非常に上手い女性だと言われ、ザーカ・モレノが世界各地で開催した心理劇のワークショップ(体験学習)は常に大勢の参加者で賑わって盛況だったようである。

ザーカ・モレノは心理劇(サイコドラマ)や社会劇(ソシオドラマ)の実施において、夫のJ.L.モレノ以上の技術・適性・上手さがあるという評価も為されているが、それは彼女の率直さや愛情深さ、親しみやすさ、自己洞察と気づきの鋭敏さといったパーソナリティーに由来するものだと考えられる。ザーカは日本が好きな親日家でもあり、日本の心理臨床家に心理劇(サイコドラマ)の実際的な運用・技法を教えるために、三度も来日して講演会やワークショップを開催している。



posted by ESDV Words Labo at 16:02 | TrackBack(0) | も:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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