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2014年10月27日

[デイヴィッド・ラパポート(David Rapaport)]

デイヴィッド・ラパポート(David Rapaport)

アメリカの精神分析家・心理学者であるデイヴィッド・ラパポート(David Rapaport,1911-1960)は、東欧のハンガリーで生まれたユダヤ人であったが、1938年にアメリカに渡米してからアメリカ心理学会の重鎮にまで上り詰め心理学の関連分野で活躍した。ヨーロッパ滞在中に大学で数学・物理学・心理学を学んでいたが、その後にジークムント・フロイトの精神分析と出会って精神分析家としてのトレーニングを積んだ。

デイヴィッド・ラパポートはアメリカの近代的心理学の草分け的な存在であり、アメリカの精神分析協会の創設に関与しただけではなく、アメリカ心理学会の中でも大きな影響力と存在感を示すことになった。特にアメリカ心理学会におけるラパポートの歴史的功績として知られているのは、臨床心理学と異常心理学(精神病理学)の研究発表部門の創設である。ラパポートによってヨーロッパ(ドイツやイギリス)よりも遅れていた当時のアメリカの臨床心理学に、精神分析の理論や技法が輸入されたという見方もできる。

デイヴィッド・ラパポートの臨床心理学の知的・技術的な基盤は『精神分析学』に置かれていたが、ラパポートはS.フロイト以来の正統派の『自我心理学』と近代的な『社会心理学』を統合するという壮大な学問的野心を持っていたと言われる。精神分析学の体系化の研究だけではなくて、心理検査をはじめとする心理アセスメントの総合化・高度化に関係する研究も熱心に行っていた。

心理アセスメントに関する研究では特に、精神分析的な連想検査法や統合失調症を判別するための投影法であるロールシャッハテストの研究で事績を残している。

投影法のロールシャッハテストでは、クライエントの反応・回答を参照しながら、思考内容・認知過程の病理学的な分析を行おうとしていた。ラパポートは思考内容・認知過程がどのように病理化していくのか、あるいはどれくらい病理的な水準が進行しているのかを、投影法の心理テストで明らかにできると考えていたのである。

ラパポート以前の心理検査では、それを実施する心理学者は知能検査においてIQ(知能指数)を機械的に測定するだけの検査技師のような位置づけだった。しかし、ラパポートが心理検査に精神分析的な投影法・分析の技法を導入したことで、心理検査を実施する心理学者はクライエントのパーソナリティーや精神病理のレベルを判定することができる『心理アセスメントの専門家』のような位置づけを与えられることになったと言われる。

posted by ESDV Words Labo at 00:44 | TrackBack(0) | ら:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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