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2007年05月05日

[ケースワーカー(caseworker)と社会福祉的な援助]

ケースワーカー(caseworker)と社会福祉的な援助

MSW(医療ソーシャルワーカー)やPSW(精神保健福祉士)が実施するソーシャルワークとは社会福祉事業の総称であり、ケースワーク(casework)とは社会福祉事業の『直接援助技術』の一つである。ケースワークとは、生活保護や育児支援など社会福祉制度の適用(生活環境の改善・経済的な援助)を必要とする社会的困窮者の個別事例(ケース)に合わせて、直接的に援助することである。ケースワークは、生活保護(公的扶助)など物質・経済的な援助に留まるものではなく、生活困窮者の心理社会的なストレスの緩和も重要な職務である。『臨床心理学的な対人援助(カウンセリング・心理療法)』を必要とする社会的弱者(各種の精神症状やストレスを抱えた困窮者)には、ケースワーカーが心理面接(心理相談)のサービスも提供することがある。

ケースワーカー(caseworker)とは、社会福祉事業全般を担当するソーシャル・ケースワーカー(social caseworker, 社会福祉家・社会活動家)の略称であり、社会的困窮者を対人援助するケースワークの専門的実践家のことである。社会福祉領域の拡大に伴い『教育支援・医療介護・保健福祉・障害者支援・児童福祉・産業福祉・老人福祉・司法矯正』などあらゆる領域でケースワーカーは働いており、『経済的困窮・身体障害・精神障害・知的障害・虐待環境』など自立困難な問題を抱えた人たちを心理的・経済的(制度的)に支援している。能力面・健康面・年齢で自立可能な人たちに対しては、段階的に社会的自立を支援していくことになるが、社会福祉制度の適用においてどこまで障害と困難を手厚く保護していくべきなのかについては絶えず議論がある。

ケースワーカーは、社会福祉制度による生活保護(公的扶助)を必要とする人たちの家庭を一軒一軒訪問するなど体力的にもきつい仕事であるが、経済的事情や健康状況によって日常生活に困っている人たちの悩みや不満を聴きながら、適切な福祉サービス(制度的援助)を選択しなければならないという意味で精神的ストレスも大きい仕事である。自分が抱えているケースの生活が苦しい人たちの要求や希望にいつも応えられるわけではないし、疾病利得(障害や困窮を訴えることによる利得)によって労働意欲や社会的責任感が低下しているケースでは、社会的自立を促すために言いたくない厳しい言葉も言わなければならないことがある。

ケースワーカーとクライエント(生活困窮者)の相互的な信頼関係(ラポール)のことを「ケースワーク関係」と言うが、社会福祉制度の財政的事情と自分個人の共感感情に折り合いをつけながら、クライエントと良好な人間関係を維持するのはとても大変でストレスフルなことでもある。ケースワーカが受け持つ一人当たりのケースの数量のことを『ケースロード(case load)』というが、社会福祉的なソーシャルワークを業務とする福祉施設や相談機関、行政機関では、ケースワーカーの体力や心理状態、クライエントとの人間関係に配慮して無理のないケースロードを割り当てることが大切である。

先天的・後天的な障害のために働きたくても働けない人たち、働いても人並みの収入(給与)を得ることが不可能な人たち、母子家庭などで育児のための十分な所得が得られない人たちに対して、有効な福祉制度(援助制度)を適用し心理的な支持を与えるのがケースワークである。ケースワークの経験が十分でないまだ未熟なケースワーカーの場合には、現実原則(財政事情やケースの内容)を無視した私的感情(過度の同情・特別な思い入れ・救世主コンプレックス)が問題になってくることがある。



posted by ESDV Words Labo at 14:49 | TrackBack(0) | け:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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