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2007年05月05日

[ケースワーク・スーパービジョン(casework supervision)とソーシャルワーカー]

ケースワーク・スーパービジョン(casework supervision)とソーシャルワーカー

生活環境に恵まれないクライエントの心理相談を継続しているうちに、自分とクライエントを同一化して感傷的に思い悩んでしまう「投影同一視」の心理機制が働いてしまうこともある。こういった陽性・陰性の感情転移に対して適切な気づきを得て対処するために、『ケースワーク・スーパービジョン(casework supervision)』というケースワーカー自身に対して行われる心理カウンセリング(心理面接による指導的な助言・援助)が重要になってくる。

スーパービジョン(supervision)は、カウンセラー(心理臨床家)の専門的な訓練制度やメタレベルのカウンセリング技術(カウンセラーの心理面接に対するカウンセリング技術)として発展してきた歴史を持っている。スーパービジョンは、カウンセラーの自己分析を進めてカウンセリングの質を維持するための訓練制度(研修教育技法)であり、自分の抱えているカウンセリング事例(ケース)についてのアドバイスや指導を「経験のあるカウンセラー」から受けることもできる。スーパービジョンを実施する経験・能力・実績のあるカウンセラーのことを「スーパーバイザー(supervisor)」といい、スーパービジョンを受けるクライエント役になるカウンセラーのことを「スーパーバイジー(supervisee)」という。

スーパービジョンとは、普段主観的にしか体験することのできない自分自身の心理カウンセリング(セッション)を、能力と経験のあるスーパーバイザーの眼を通して客観的に検証する心理面接のことであり、『自分のカウンセリング(心理療法)の技法・理論・実践・話し方の問題点や課題』に気づく研修的な作業でもある。

スーパービジョンでは、スーパーバイジーの性格傾向(パーソナリティ)の問題や心理的な悩みなどに踏み込んで話し合うことはなく、スーパーバイジーの実践しているカウンセリングの方法や内容を題材として話し合うことになる。その意味で、カウンセリングの内容や技術、話し方について指導するスーパービジョンと個人的な問題や心理的な悩みを解決しようとするカウンセリングは明らかに異なるものである。

ケースワーカーにおいても『経験のある熟練したケースワーカー(スーパバイザー)』から『経験の乏しい未熟練のケースワーカー(スーパーバイジー)』に対して、ケースワークの内容と方法、今後の方針について助言指導するスーパービジョンが行われる。これを『ケースワーク・スーパービジョン(casework supervision)』と呼び、未熟練のケースワーカーの逆転移(福祉制度の限界や自分の役割を越えた、感情的な過度の同情や怒り)を抑止して、クライエントの適切な保護支援(主体的自立)を見据えたケースワークの実践ができるように指導していく。

スーパービジョンをして、そのケースワーカーの能力や技術、心理状態ではケースに対応できないとスーパーバイザーが判断した場合には、ケースを担当するワーカーを交代することも選択肢として考えられる。F.P.バイステックは、ケースワークの有効な実践について『1.ケースの個別化、2.意図された感情表現、3.統制された情緒的なアプローチ、4.共感的な受容、5.非審判的な態度、6.クライエントの自己決定の尊重、7.ケースの守秘義務』という7つの原則を掲げている。



posted by ESDV Words Labo at 14:53 | TrackBack(0) | け:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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