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2015年01月06日

[臨床心理学の研究・実践の特徴とクライエントを見る異常心理学:2]

臨床心理学の研究・実践の特徴とクライエントを見る異常心理学:2

臨床心理学の異常心理学(abnormal psychology)の特徴は、精神分析と同じく『心因(心理的原因)・心理社会的要因』に比重を置いているということであり、『生物学的な異常・生理学的な機能障害』という医学的診断モデル(本人の心理・言葉よりも客観的な検査結果や映像所見を重視するモデル)からはやや距離を置いているところがある。

臨床心理学の研究・実践の特徴と精神医学との差異:1

異常心理学や精神分析では、精神病理の発症・経過・転帰について科学的根拠に基づく生物学主義の見方よりも、『個人の生活史(エピソード)・精神構造モデル・ストレス要因・トラウマ要因』などのほうを重視していて、客観的に観察したり検査したりすることが難しい『心』をある程度柔軟かつ共感的に捉えようとする傾向が顕著である。

医学モデルの精神医学(精神病理学)では、検査結果に異常が見られなければ、それ以上の面接や治療方法の模索が行われることが殆どないし、小さな生活上の不安・緊張や対人関係のストレスなどの相談に真剣に乗ってくれることも期待しづらい。

だが、臨床心理学の心理療法では『検査結果の正常・異常』以上に『クライエント本人が悩んでいること・訴えていること』にできるだけ寄り添って傾聴しながら解決法を一緒に考えるという姿勢があり、クライエント本人が病気であるか否かという診断的基準が必ずしも全てではないのである。

心理臨床の対象となるクライエントに対して、精神医学では『病理的基準(病気か健康か)』『統計的基準(統計的に標準の範囲内に含まれているか否か)』を最も重視するが、臨床心理学では『適応的基準(現在の生活や人間関係に適応できているか否か)』『価値的基準(本人の理想・希望・自己実現がどれくらい満足させられているか)』のほうをより重視する傾向が見られる。

アメリカの臨床心理学者のJ.S.コーチン『現代臨床心理学(1980)』の中で、精神保健的介入モデルについてまとめており、精神保健分野で患者(クライエント)に介入する臨床モデルを大きく『収容管理的な臨床(精神科医が行う臨床)』『心理治療的な臨床(心理臨床家・臨床心理学者が行う臨床)』とに分類している。

J.S.コーチンの『精神保健的介入モデル』については改めて整理してみたいと思う。



posted by ESDV Words Labo at 19:52 | TrackBack(0) | り:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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