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2015年02月20日

[精神医学臨床・家族療法と患者家族との関係性の5分類(小此木啓吾らによるA〜Eの分類):1]

精神医学臨床・家族療法と患者家族との関係性の5分類(小此木啓吾らによるA〜Eの分類):1

精神医学の臨床では、医療関係者と患者本人との関わりだけではなく、『医師・看護師・心理臨床家(臨床心理士)と患者の家族との関係性』も重要になってくる。精神科医・精神分析家の小此木啓吾(おこのぎけいご)狩野力八郎(かのうりきはちろう)は、医療関係者と家族との関係性を以下の『A〜Eの5タイプ』に類型化して考えた。

Aタイプ(精神医学・一般医学における診療関係の構築と支持)

Aタイプの家族との関係性は、受診前の相談・調査や家庭訪問から始まり、『受診(初診)・外来通院・入退院・リハビリテーション』において良好な診療関係と患者・家族の受診継続のモチベーションを構築する関わり方であり、『診療関係の構築・維持』にその目的が置かれている。

患者の継続的な診療を可能にするためには『家族の理解・協力』が欠かせないという現実認識に立ったものであり、具体的には患者が病院(クリニック)に通院したり入院したりするために必要な『社会的・経済的・物理的な諸条件』を整えていくことになる。家族による『家庭内での看護・保護や生活環境の調整』も間接的に支援して、通院診療を通した患者の情報についても、患者の同意を得た上で家族とも共有するようにしていく。

Bタイプ(心理的環境・内面世界の調整と関与)

Bタイプの医療関係者と家族との関係性は、患者の精神疾患の改善と社会適応の促進を目的として、『患者の心理的環境』をできるだけ不安・葛藤・苦痛の少ない良い状態へと調整していこうとするものである。

Aタイプの家族との関わりでは、通院・入院治療の動機づけや病気の医学的な治療上のアドバイス、栄養バランスの調整、リハビリテーションの運動のさせ方、身体的な看護の指導・助言、日常生活の介助・助言といった『物理的・実際的な支援の促進』に重点が置かれていたが、Bタイプでは患者の内面世界の援助や調整、家族との相互的関係の配慮といったものが重視されている。

Bタイプの家族との関係性では、『医学的治療・心理療法(カウンセリング)・リハビリテーション』をより効果的にするための『家族相互の関係の調整・改善』といったものが強く意識されることになる。そこでは、精神疾患や身体疾患に罹っている患者に対して、家族がどのような態度で接したり話しかけたりするのが望ましいのかという『心理教育的なアプローチ』が含まれている。

つまり、家族関係の不和を改善したり、家族の病気に対する無理解・誤解を修正したり、患者の内面的な怒り・悲しみ・寂しさなどの情緒的問題に焦点を当てて軽減したりといった事を目的化していくのが、Bタイプの内面心理を取り扱う関わり方なのである。家族の接し方や話し方、態度が『患者の心理状態・病気の状態』にどのような影響を与え得るのか、逆に患者の病気や態度が『家族の心理状態・患者に対する反応の仕方』にどのような変化をもたらすのかといった事を教育していく課題もある。

家族との相互的関係を踏まえて、『患者の心理的環境・内面世界』を治療的に調整していくというBタイプの関わり方は、患者が発達臨床的な課題を抱えやすい『児童期・思春期のカウンセリング(心理療法)』において重要になってくる。Bタイプの家族関係や内面心理にアプローチする方法をカウンセリング技法として確立したのが、患者(クライエント)本人以外にも並行して父母面接(家族面接)を行っていく『父母カウンセリング(親カウンセリング,Parent Counseling)』という技法である。



posted by ESDV Words Labo at 14:32 | TrackBack(0) | せ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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