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2015年02月25日

[神経心理学の機能局在説と全体説(非局在説):ブローカーとウェルニッケの失語症]

神経心理学の機能局在説と全体説(非局在説):ブローカーとウェルニッケの失語症

神経心理学(neuropsychology)の理論的な前提には、脳の各部位がそれぞれの精神機能(機能障害)に対応しているという『機能局在説』と、機能局在説を否定してそれぞれの精神機能(精神障害)の発生は脳の各部位の働きに還元することはできないという『全体説(非局在説)』とがある。

1861年に、フランスの解剖学者・外科医のピエール・ポール・ブローカー(Pierre Paul Broca,1824-1880)が、言葉を聴いて理解する能力はあるのに言葉を話すことができない症例を発見してその症状を“アフェミー”と名づけたが、その後に『ブローカー失語症』と呼ばれるようになった。剖検によって、言葉を理解して話す中枢である『運動性言語中枢』が前頭葉後下部にあることが分かり、この文節言語の発話の中枢を『ブローカー野』と呼んだ。

1874年には、ドイツの神経科医・外科医のカール・ウェルニッケ(Carl Wernicke,1848-1905)が、言葉を話すことはできるが言葉を聴いて正しく理解することができない『ウェルニッケ失語症』の症例を発見した。剖検によって、言葉を聴いて理解する中枢である『知覚性言語中枢(聴覚性言語中枢)』が側頭葉上後部にあることが分かり、この知覚性言語の言葉の理解・了解の中枢を『ウェルニッケ野』と呼んだ。

19世紀後半の神経心理学は、P.ブローカーやC.ウェルニッケの失語症研究の影響もあり、脳の各部位が言語の発話・理解を担当しているという形の『機能局在説』が優勢となり、言語中枢以外にも感覚・運動中枢、書字中枢、計算中枢、概念理解の中枢などが大まかに特定されていった。複数の構成要素から『心の全体的機能』が構成されているという要素心理学や連合心理学の影響を受けて、神経心理学の分野では連合主義的な『失語図式』が考案されるようになっていった。



posted by ESDV Words Labo at 17:58 | TrackBack(0) | し:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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