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2015年02月25日

[失語症の言語障害とウェルニッケ・リヒトハイムの図式]

失語症の言語障害とウェルニッケ・リヒトハイムの図式

連合主義的な図式(ダイアグラム)が積極的に作成されたことから、19〜20世紀初頭の神経心理学の時代を『ダイアグラム・メイカー(diagram maker)の時代』と呼ぶこともある。最も有名な失語図式は、『ウェルニッケ・リヒトハイムの図式』であり、ウェルニッケ・リヒトハイムの図式は以下のような脳の各部位の中枢の相関関係によって失語症の発症・維持・経過を説明している。

聴覚言語中枢(A,ウェルニッケ中枢)

運動言語中枢(M,ブローカー中枢)

概念中枢(B)

神経心理学の機能局在説と全体説(非局在説):ブローカーとウェルニッケの失語症

この連合主義的なウェルニッケ・リヒトハイムの図式では、聴覚言語中枢、運動言語中枢、概念中枢をそれぞれ結ぶ連絡網が想定されており、『中枢・連絡網の障害の場所』から失語型を分類することができるという考え方に依拠している。

言語の理解のプロセスは“a(相手から話された言葉の刺激)→A→Bの経路”、言語の表出(発話)のプロセスは“B→M→m(自分が話した実際の言葉)の経路”“B→A→M→m(自分が話した実際の言葉)の経路”によって成立することになる。言語の表出(発話)においては、自分の言葉(音声言語)を自分で聴きながら発音を調整する必要もあるので、『Aの聴覚言語中枢(ウェルニッケ中枢)』も間接的に関係しているだろう。

Aの聴覚言語中枢(ウェルニッケ中枢)が破壊されると、皮質性感覚失語と呼ばれる『ウェルニッケ失語症』が発症し、Mの運動言語中枢(ブローカー中枢)が破壊されると、皮質性運動失語と呼ばれる『ブローカー失語症』が発症することになる。更に、B(概念中枢)とM(運動言語中枢)の間、B(概念中枢)とA(聴覚言語中枢)の間の連絡経路が破壊されると『超皮質性失語』と呼ばれる特異な失語症が発症し、AとMの間の連絡経路が破壊されると『伝導失語』が発症する。

20世紀に入ると古典的局在論は更に脳の部位と精神機能が強固に結び付けられるようになり、『徹底的局在論』と呼ばれるようになった。徹底的局在論の代表的な研究者には、S.E.ヘンシェン(S.E.Henschen)K.クライスト(K.Kleist)J.M.ニールセン(J.M.Nielsen)らがいる。

K.クライストは、『言語・身体各部の機能・構成的な複雑な行為・気分・感情・思考』などの各精神機能を脳の各部に割り当てるかなり詳細な『クライストの脳地図』を作成したが、この脳地図は厳密な科学的実験の検証が行われておらず、現在では科学的妥当性が低いものになっている。



posted by ESDV Words Labo at 17:59 | TrackBack(0) | う:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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