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2015年03月24日

[適応障害(Adjustment Disorder)の診断基準と治療法(環境調整+薬物療法+心理療法)]

適応障害(Adjustment Disorder)の診断基準と治療法(環境調整+薬物療法+心理療法)

個体のパーソナリティー(人格構造)の機能と水準によって、個体と環境の相互作用のプロセスが規定され、その与えられた社会環境に適応できるか不適応に陥るかが分かれていくことになる。

精神分析家のオットー・カーンバーグは個人のパーソナリティーの機能水準を、『正常なパーソナリティー水準・神経症的なパーソナリティー水準・境界例的なパーソナリティー水準・精神病的なパーソナリティー水準』に分類して、精神病的なパーソナリティー水準に近づくほどに適応障害のリスクが高まるとした。

適応障害(Adjustment Disorder)を引き起こす要因と情緒面・行動面の障害

適応障害の診断基準はDSM-W-TRとICD-10では異なっているが、その重要な診断基準を整理すると以下のようになる。

1.はっきりと確認できる心理社会的ストレスが原因となっている反応で、3ヶ月以内(ICDでは1ヶ月以内)に発症している。

2.ストレス因子に対する反応が、正常で予測されるものより過剰であり、苦痛を伴う情緒面・行動面の症状が出ている。

3.社会生活を送ることが困難になり、職業的・学業的な機能が障害されている。

4.ストレス状況がなくなれば、不適応反応は6ヶ月以上は持続しない。(ストレス状況がなくなっても、6ヶ月以上にわたって症状が続く場合にはPTSDや分類不能のストレス障害の可能性がある。)

5.他の原因となる精神障害(気分障害・不安障害など)がなく、死別の対象喪失によるストレス反応ではないこと。

6.情緒面・行動面の症状の持続時間が6か月以内のものを急性適応障害、6か月以上のものを慢性適応障害としている。

適応障害の有病率は約1%、精神科・心療内科に通院している患者では約10%の人が適応障害だとされている。適応障害の治療方法は、抑うつ感・不安感・落ち込み・焦燥感・緊張感などの精神症状が出ている時には、抗うつ薬・抗不安薬といった向精神薬の投与による薬物療法を行う。

適応障害はうつ病と同じく再発・再燃のリスクが高い精神疾患の一種であるが、その根本的な治療法としては『原因となっているストレス因子の除去・軽減+認知療法的なストレス事態の捉え方の変容』と『ストレス事態から逃避せずに向き合って乗り越えていくこと+ストレス耐性や問題解決能力の向上』がある。

薬物療法以外には、ストレス因子を除去したり軽減したりする『環境調整』、ストレス状況の肯定的な受け止め方や問題解決的な解釈を考えていく『認知行動療法』、ストレスを回避するのではなく敢えて直面して解決していく『暴露療法(エクスポージャー)』、共感・肯定・支持・保証などを行ってストレス状況に直面できるようにサポートする『支持的カウンセリング(クライエント中心療法)』などの治療的アプローチを考えることができる。



posted by ESDV Words Labo at 13:59 | TrackBack(0) | て:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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