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2007年05月15日

[交流分析の裏面交流とゲーム分析(game analysis)]

交流分析の裏面交流とゲーム分析(game analysis)

交流分析のエゴグラム(egogram)を踏まえたコミュニケーション理論では、『相補交流・交差交流・裏面交流』を分類してコミュニケーションの問題点や改善点を考えていく。交流分析では、エゴグラムの自我状態を考慮しながら、二者間のコミュニケーションを合理的に分析する作業を「やりとり分析」と呼ぶこともある。お互いの欲求や感情を満たし合う形の適応的なコミュニケーションの代表が『相補交流』であり、お互いの欲求や感情がすれ違って対立する形の不適応なコミュニケーションの代表が『交差交流』である。『裏面交流』は、相手を自分の思い通りにコントロールしようとする欲求に動機付けられたコミュニケーションで、「建前(タテマエ)の言動」「本音(ホンネ)の感情」が食い違った状態で行われることが多い。

以下に、「相補交流・交差交流・裏面交流」の特徴と問題を記しておきます。やりとり分析を理解するためには、「J.M.デュセイのエゴグラム」の項目も参照してみて下さい。

相補交流……エゴグラムのNP(保護的な親)とFC(自由な子ども)の間、あるいは、CP(批判的な親)とAC(適応的な子ども)の間で相互にやりとりされるような「噛み合った有意義なコミュニケーション(お互いの要求を満たせるコミュニケーション)」のことである。「今日は学校で友達と喧嘩したんだ(FC)」に対して、「大丈夫?怪我しなかった?どうして友達と喧嘩してしまったのか話してちょうだい(NP)」と返すようなコミュニケーション。「明日から毎日2時間、家で学校の勉強を復習しなさい(CP)」という父親に対して、「うん、分かった、毎日コツコツやるほうがテストの時に役立つしね(AC)」と返すようなコミュニケーション。

交差交流……エゴグラムにおいて、CP(批判的な親)からAC(適応的な子ども)への発言に対して相手もCPからACへの発言を返してくるような「噛み合わない対立的なコミュニケーション(お互いの要求を無視するコミュニケーション)」のことである。上司の「明日までに、この企画をレポートにまとめてきて下さい(CP)」という発言に対して、「はい、分かりました。頑張ってレポートを作成しようと思います(AC)」と相補的に返せば適応的なコミュニケーションが成立するが、「レポートをまとめるよりも優先すべき問題があるのではないですか?(A)」と交差的に返せば相手との葛藤や対立が深まってしまう恐れがある。

裏面交流……ゲーム(心理ゲーム)とも呼ばれる「定型的なパターン化したコミュニケーション」のことで、いつも決まりきった結末や感情に行き着いてしまうという特徴を持つ。裏面交流では、「表面的な言動(タテマエの言葉)」と「本当の気持ち(ホンネの感情)」が分離しているので、決まりきったゲームのやり取りをした後には「イヤ〜な感じ」が残ることが多い。

建前と本音が対立した裏面交流のゲームでは、イヤ〜な感じや不快な感覚を感じることが多いが、この嫌な感じや不快な感情を引き起こす言葉や行動のことを「ラケット(racket)」という。交流分析ではコミュニケーションを通して相手に与える感情的な刺激(対価)のことを「ストローク(stroke)」というが、不快な結末を導くゲームにおける「ラケット」も負のストロークの一種である。ストロークには、相手の人格や感情(考え)を肯定して快の刺激を与える「正のストローク(報酬の効果)」と相手の人格や感情(考え)を否定して不快の刺激を与える「負のストローク(罰則の効果)」とがある。

なぜ自分は、お互いに不快な感情を抱いてしまう「ゲーム(心理ゲーム)」を繰り返してしまうのだろうかということを、人生のおおまかな筋書きである人生脚本(life script)を元に分析するのが「ゲーム分析(game analysis)」である。決まりきった対人関係のパターンであるゲームには、何らかのストローク(感情的対価)が発生しているのだが、そのストロークは最終的に自分や相手の関係を破滅や終焉に導いてしまうものである。発達早期に書かれる人生脚本では「対人関係における自分の役割(立場)」が規定されていることが多く、「他人から嫌われる私・集団に適応できない私・皮肉やいやみを言わずにはいられない私」などの役割を自分から無意識的(非意図的)に引き受けてしまっていることも多い。

ゲーム分析を通して、自分が日常的な対人関係の中でどのような役割(立場)を担っているのかを認識し、ゲームで生じる「イヤ〜な感じ・不快な感情・相互的な否定」を導かないような建設的なコミュニケーションを工夫していかなければならない。「ゲームの原型」は、過去の人間関係の中で未解決に終わっている問題や情況であり、ゲームを繰り返し行っている人は、過去の苦痛な思い出や不快な人間関係を何度も繰り返すことによって「自虐的な自己規定」を行い「感情的な苦痛」を和らげているのである。カウンセリングにおけるゲーム分析の究極的な目標は、「過去の不適応なコミュニケーション・パターン」を「今後の適応的なコミュニケーション・パターン」に改め、「否定的・悲観的・消極的な自己認知」を「肯定的・楽観的・積極的な自己認知」に変容させることである。



posted by ESDV Words Labo at 01:38 | TrackBack(0) | け:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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