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2015年05月21日

[境界性パーソナリティー障害(BPD)の“依存症との重複・自己破壊性”]

境界性パーソナリティー障害(BPD)の“依存症との重複・自己破壊性”

境界性パーソナリティー障害(BPD)の人の自己像(自己イメージ)は低く、自己評価もネガティブなものなのだが、『表層的・依存的な近しい相手との人間関係』が上手くいっている限り(=自分の甘えや依存を受け容れてもらえるような人間関係がある限り)において、精神的な安定や愛されている自分という自己アイデンティティの一時的な確立が見られることが多い特徴を持っている。

境界性パーソナリティー障害(BPD)の“理想化・こきおろし”に見る対人関係の不安定さ

境界性パーソナリティー障害(BPD)の分かりやすい特徴として、各種の『依存症(嗜癖)』とオーバーラップ(重複)しやすいということがある。分かりやすい依存症(嗜癖)の例としては『浪費(買い物依存)・ギャンブル(ギャンブル依存)・過食や拒食(摂食障害)・薬物(薬物依存)』などがあり、『危険運転(暴走行為)・性依存(恋愛や性愛への対人的な依存)』などが合わせて見られることもある。

BPDの人は『慢性的な空虚感・虚無感』に悩まされているため、その苦痛な虚しさや無意味さの実感を離れるために、特定の刺激的な物質・行為・関係性に過度に依存してしまい、自分で自分の人生や生活を持ち崩して破滅的状況に陥ってしまうことも少なくない。極端な急性ストレスがかかった時には、一過性の妄想・幻覚や解離症状(離人症)が発生してしまうこともある。

リストカット・OD(オーバードーズ:薬の大量服用)などに代表される『自傷行為・自殺企図』は、BPDの『自己破壊的行動』として理解されているものであるが、これらの自己破壊的行動も『親密な他者から見捨てられる不安(拒絶・分離の恐怖)』や『責任感・罪悪感のストレスの増加』がある時に起こりやすい。

BPDの自己破壊的行動は、自分がこれ以上の孤独や不安、ストレス、無意味感に耐え切れないという『クライシス・コール(救助を求める叫び)』であると同時に、自己アイデンティティが拡散して自分が無価値化する中での『現実からの逃避願望の現れ』でもある。

親しい恋人・家族に対して、『自分を愛してくれない・守ってくれない・構ってくれない・見捨てようとしている』と思った時には、自己アイデンティティが拡散して自己無価値化と相手のこきおろし・罵倒が始まるが、こういったストレス状況で起こる激怒発作には『恥辱感(恥ずかしさ)・罪悪感』も含まれている。この恥ずかしさや罪悪感が怒りよりも強くなってしまった時に、自分で自分を強く否定する自己否定感情に呑み込まれやすくなり、自傷行為・自殺企図のリスクも上がると考えられている。

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posted by ESDV Words Labo at 16:04 | TrackBack(0) | き:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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