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2015年05月29日

[オットー・カーンバーグの人格構造の3つの水準と原始的防衛機制]

オットー・カーンバーグの人格構造の3つの水準と原始的防衛機制

アメリカの精神分析家オットー・カーンバーグ(Otto F. Kernberg,1928-)は、オーストリアのウィーン出身の理論家肌の精神分析家である。

O.カーンバーグは、人格構造(パーソナリティー構造)の機能水準を『精神病的人格構造(PPO)・境界性人格構造(BPO)・神経症的人格構造(NPO)』の3つの段階に分類した研究成果で知られているが、現在でも精神疾患の病態水準が重いという意味で『精神病水準(精神病的人格構造:PPO)』という概念が用いられることがある。

境界性人格構造(境界性パーソナリティー構造:BPO)は、『重篤な精神病的人格構造(PBO)と軽度の神経症的人格構造(NPO)の中間領域にあるとされる人格水準・病理水準』であり、その大きな特徴の一つとして対象関係論のメラニー・クラインが指摘した各種の原始的防衛機制を頻繁に用いるということがある。

M.クラインが見つけて指摘した原始的防衛機制には『分裂・投影同一視・否認・取り込み・原始的理想化』などがあるが、これらは発達早期の自他未分離な新生児(自分の思い通りにならない他者を想定できない幼児的万能感のある新生児)の『妄想‐分裂態勢(妄想‐分裂ポジション)』において用いられやすい。

M.クラインは乳幼児の早期発達理論において『妄想−分裂態勢(生後0ヶ月〜3‐4ヶ月)』『抑うつ態勢(生後4ヶ月〜1歳頃)』を想定したが、後者では少しずつ自分と他者とが別の人間であること(すべてが思い通りになるわけではないこと)を認識し始める。

その結果、自分を大切に世話して愛してくれた母親の部分対象(自分を満足させてくれない悪と感じた母親の側面)に、『悪意・破壊衝動』を向けてしまっていた過去を後悔して罪悪感や抑うつ感を感じる抑うつポジションの段階へと移行するのである。

境界性人格構造(BPO)の人は、自己アイデンティティが拡散したり障害されたりして、『自分が何者であり自分は何をすれば良いのかの自己認識』が曖昧になって空虚感(虚無感)を感じやすくなっているのも特徴の一つである。一方で、現実と妄想の区別は比較的はっきりとしており、現実と妄想を識別するための自我の『現実検討能力・現実吟味能力』は維持されているので、その点において精神病的人格構造(PBO)よりも精神状態の健康度は高いと判断されているのである。

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posted by ESDV Words Labo at 17:18 | TrackBack(0) | か:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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