性同一性障害(GID)とトランスセクシャリズム、トランスジェンダー:2
トランスセクシャリズム(トランスジェンダー)の人は、生物学的な健康状態には問題がなく性的な身体構造にも異常は見られないが(性ホルモンの分泌に一定の偏りが見られることはあるが)、自分の人格・自己アイデンティティにおいて『自分の生物学的性差とは逆の性(男性であれば女性)』に自分が帰属していると確信していて、自分と逆の性別の社会的役割・行動の傾向に基づいて生きていきたいと感じている。
性同一性障害(GID)とトランスセクシャリズム、トランスジェンダー:1
更には、自分の生物学的性差に従って生きることに非常な違和感や苦痛、耐え難さを感じていることが多く、話し方にせよ服装・化粧にせよ整形手術(性転換手術含む)にせよ、何らかの形で自分が『自分とは逆の性別』に帰属していること(そのように振る舞って生きていくこと)を表現したり確信したりして、社会・他者に認められたいと思っていることも多い。
生物学的には男性であるが心理的・自己認識的には女性であるというトランスジェンダーの人は、自分が男性として生まれてきたのは何かの間違いであると確信しており、日常生活で女性の服装・髪型・恰好をしたり化粧(メイク)をしたりして、『女性らしさを強調した行動(女性の性別役割行動に従った行動)』をするのである。
生物学的にも本当の女性に近づきたいという『性転換願望(性転換空想)』を持っている人も多く、その場合にはホルモン投与(ホルモン療法)や美容整形手術、性転換手術(豊胸・去勢)などを行って、実際に自分の肉体を異性に近づけようとすることさえある。
性転換手術の希望はトランスセクシャリズム(トランスジェンダー)のラディカルな象徴になっているため、トランスセクシャリズムは『性転換症』と翻訳されることが多かったが、必ずしも性転換願望(性転換空想)を伴うわけではないので『性変性症』といった訳語が推奨されたりもした。近年は無理に日本語に翻訳せずに、そのままトランスセクシャリズムやトランスジェンダーとして表記されるようになってきている。英語では“gender dysphoria syndrome”と表記されることもある。
セクシャリティーやジェンダーにまつわる性的なアイデンティティ(性的な自己同一性)である『性同一性』には、以下の三つの側面がある。
1.中核的な性別の自己認識……自分が男性であるか女性であるかということについての確信的・中核的な自己認識と自己受容。
2.性別役割・性別行動の意識……所属社会で一般的に認識されている『男らしい服装・髪型・行動』をするか『女らしい服装・髪型・行動』をするか。
3.性的な対象選択・性的嗜好……異性を性(恋愛)・結婚の対象に選ぶのか、同性を性(恋愛)・結婚の対象に選ぶのかの違いで、近年は先進諸国では同性同士が結婚する『同性婚』も認められ始めている。

