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2015年07月17日

[双極性感情障害(Bipolar affective disorder)における躁病エピソードと軽躁病エピソードの特徴と違い]

双極性感情障害(Bipolar affective disorder)における躁病エピソードと軽躁病エピソードの特徴と違い

ICD-10の双極性感情障害(Bipolar affective disorder)の精神症状のエピソードの説明では、双極性障害における『躁病エピソード・軽躁病エピソード・うつ病エピソード』はそれぞれ以下のように定義されている。DSM-Wでは、躁病エピソードは『双極T型障害』に見られ、軽躁病エピソードは『双極U型障害』に見られるとされている。

躁病エピソード(manic episode)

“躁病(manic disorder)”は、異常に気分が高ぶって活動力が増加するという症状であり、実際の人間関係や仕事・学業などの社会活動に大きな支障が生じるレベル(深刻度)のものをいい、通常の日常生活を通した社会適応が殆ど不可能になる。躁病エピソードと診断するためには、そういった気分の高揚と活動性の亢進による日常生活の障害が最低でも“一週間以上”にわたって続いていなければならない。

躁病エピソードの典型的な症状や特徴には以下のようなものがある。

1.自尊心の肥大に基づく『誇大妄想的な観念・過度に楽観的な将来予測』が見られる。

2.状況に相応しくない気分・感情・意欲の異常なまでの高揚(ハイテンション)と活動力の増大

3.愉快・陽気な気分と落ち着かない焦燥感・イライラ(短気さ)

4.次々と思考やアイデアが湧き出してきて止まらない観念奔逸

5.一つの目標や物事に集中できなくなる注意転導性(注意があちこちに移り変わって散漫になる)

6.まくし立てるようにずっと話し続けたい衝動を抑えられない多弁・演説・会話の異常な増加

7.目が冴えて眠りにつけない睡眠障害・睡眠欲求の消失

8.判断力や危機意識の欠如による浪費・ギャンブル・危険行為の傾向

軽躁病エピソード(Hypomanic episode)

人間関係や社会生活に著しい障害が起こっていつもの日常生活を送れなくなる『躁病エピソード』よりも症状の程度が軽いものが『軽躁病エピソード』である。少なくとも4日以上は続く持続的な気分・感情の高揚(ハイテンション)が見られて、意欲・活動性も高まり、普段よりもおしゃべりになる多弁の傾向が出てくる。

『軽躁病エピソード』では、心身の調子の良さや意欲・気力が増進している感覚、頭の働き・発想力・感受性が良くなっている調子の良さが実感されるので、初めて軽躁病エピソードを経験した時には『ある種のハイテンションで意欲的・健康的な調子の良さ』として受け取られることも多い。

軽躁病エピソードの典型的な症状や特徴には以下のようなものがある。

1.気分・意欲の高揚と気力・活力の増大

2.人と接したいと思う社交性や親密さ、対話欲求の増大

3.普段よりも早口で次々に話そうとする多弁・饒舌の傾向

4.性欲・食欲の亢進や睡眠欲求の減少(全般的にエネルギッシュな印象が強まる)

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posted by ESDV Words Labo at 01:57 | TrackBack(0) | そ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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