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2015年07月24日

[病跡学(pathography)・表現病理学3:天才の非業の死・芸術家の薬物中毒]

病跡学(pathography)・表現病理学3:天才の非業の死・芸術家の薬物中毒

自己愛性パーソナリティー障害や境界性パーソナリティー障害で情緒が相当に不安定だったとされる女優のマリリン・モンロー(1926-1962)も、フロイトの末娘であるアンナ・フロイトの精神分析の治療を受けていた。

マリリン・モンローは最終的には不運な非業の自殺を遂げてしまうが、精神病的な希死念慮や自殺企図を行ってしまう天才や芸術家は多く、日本でも芥川龍之介・川端康成・太宰治・三島由紀夫(三島は戦後日本の柔弱を嫌う憂国烈士の思想的自殺の面が強い)などの文人が自殺でその人生を終えている。

病跡学(pathography)・表現病理学2:双極性障害・統合失調症と創造性

『ツァラトゥストラはこう言った』『道徳の彼岸』など神が死んだ近代の始まりを予告する独自の哲学を構築したフリードリヒ・ニーチェ(F.W.Nietzsche,1844〜1900)も、後年は脳梅毒による進行麻痺で正常な精神機能を失ったとされるが、梅毒症状が出る前の時期には創作的な活動に集中することができていた。

『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』などの作品でロシアを代表する文豪として知られるフョードル・ドストエフスキー(1821-1881)の創造力や発想力には、『てんかん発作の症状・予兆による神秘的イマジネーション』が関係していたとされる。周期的な双極性障害による躁状態によって、創造性・思考力が刺激された天才の文学者・芸術家としては、ゲーテや宮沢賢治、チャイコフスキーなどが知られている。

精神分析の始祖であるジークムント・フロイトはコカインを精神疾患(神経症)の治療薬として活用しようとしたが、近代の創作的・思想的な分野でLSDのようなサイケデリック・ドラッグが用いられたように、天才の芸術家・文学者が自らのインスピレーションや創作欲求を高めるために『薬物依存症・物質嗜癖』になってしまった事例も多い。

日本でも文人の太宰治や坂口安吾は麻薬・覚醒剤などに依存していた節があるし、『悪の華』で知られるフランスの詩人シャルル・ボードレールも幻覚作用によって創造性を刺激するためにアヘンを常用していた。天才的な才能があるか否かは別として、現代の日本のアーティストでも、自らの創作性・想像力を高めるために違法薬物に手を出してしまって、精神病的な薬物中毒に陥ってしまう人は少ない。

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posted by ESDV Words Labo at 10:37 | TrackBack(0) | ひ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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