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2015年08月12日

[症状精神病で見られる各種の意識障害]

症状精神病で見られる各種の意識障害

統合失調症の『一級症状』を分類整理したことで知られるドイツの精神科医クルト・シュナイダー(Kurt Schneider, 1887-1967)は、症状精神病のことを『身体的基礎のある精神病』と呼んでいた。

症状精神病と器質性精神病・中毒性精神病の違い

『外因性精神病の問題について』の著作のあるドイツの精神科医K.ボンヘッファーは、各種の症状精神病に共通する症状の概念として『外因反応型』を提唱している。K.ボンヘッファーの外因反応型の概念はすべての症状精神病に当てはまるものであり、症状精神病の原因となる基礎疾患はさまざまであっても、それらに共通する精神症状に一定のパターンがあることを示唆している。

症状精神病の症状は可逆的であり、その本体が『薬物・外科手術が効きやすい身体疾患』であることから、『器質性精神病・内因性精神病・中毒性精神病』よりも治癒する可能性が高いとされる。症状精神病は、身体疾患の経過と並行するような形で症状が経過していき、身体疾患がすっかり治癒してしまえば、症状精神病も治癒することが殆どである。

症状精神病の発症に関係する身体疾患・身体の異常としては、『遺伝的素因・発熱・毒物(薬物)の作用・脱水状態・低酸素状態・電解質異常・代謝異常・ICU症候群』などを考えることができる。症状精神病において出現する精神症状としては、『広義の意識障害』をはじめとして以下のようなものがあるが、これらの症状は『急性外因反応型』として解釈できるものでもある。

意識混濁……意識障害の一つであり、『意識の清明度』が低下して、注意・思考・感情が上手くまとまらないぼんやりとした状態をいう。

譫妄(せんもう)……軽度・中等度の意識混濁に、幻聴・幻覚などの幻覚症状あるいは興奮・錯乱などの異常行動が加わった混乱した状態をいう。

もうろう状態……意識障害の一つであり、『意識の狭窄(きょうさく)』を本態として『一過性の人格変容・別人格の発生』を引き起こすことがある状態をいう。

アメンチア意識障害の一つであり、譫妄(せんもう)の前段階に相当すると考えられている意識の混乱と思考力の低下を示す状態のことである。アメンチアの基盤にあるのは『軽度の意識混濁』であり、思考障害に伴って起こる症状として『錯乱・困惑』がある。

アメンチアの中心症状は『思考障害』であり、自分と他人(周囲)の状態に関する客観的な認識や理解が難しくなり、思考内容がまとまらなくなる。その結果、自分自身の思考力低下に困惑したり、何が何だか分からないパニック状態に陥って興奮・錯乱を示したりすることもある。

昏迷状態……意志・言語の表出が著しく乏しくなっていたり欠如している状態であり、患者本人からの『自発的な言動』が全く見られないという特徴がある。しかし昏迷状態は意識の清明度が低下した意識障害ではないので、患者本人は自分の状況を認識していることが多い。

健忘……解離性障害のうちの『解離性健忘』とも相関する症状で、過去の一定期間の記憶が欠損している状態のことである。未来の新たな出来事や事物・人物についての記憶ができない症状は『前向性健忘』という。複合的な健忘の症状として、『記銘障害・見当識障害・作話』の見られる健忘症候群があり、この健忘症候群はアルコール関連障害の一つである『コルサコフ症候群』でも見られるものである。

過敏性情動衰弱……音・光に対する知覚過敏、易怒性(イライラ)・不機嫌・興奮などの感情刺激性、思考力と集中力の低下・疲労感などの衰弱性、頭痛、睡眠障害、自律神経系障害などを示す過敏性を中核にした症状群である。

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posted by ESDV Words Labo at 09:51 | TrackBack(0) | し:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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