摂食障害(eating disorder)の診断基準
摂食障害の診断基準については、『厚生労働省特定疾患・神経性食思不振症調査研究班の診断基準』や『DSM-W-TRの診断基準』が用いられている。
神経性食思不振症の診断基準(厚生労働省特定疾患・神経性食思不振症調査研究班の診断基準)
以下の6項目の診断基準を満たすものを、神経性食思不振症(拒食症)として診断する。1、2、3、5は既往歴を含む。6項目すべてを満たさない場合は疑診例として扱う。
1.標準体重のマイナス20%以上の痩せ
2.『不食・拒食・過食・無茶食い・隠れ食い』などの食行動の異常
3.『体重増加に対する極端な恐怖』などの体重・体型についての歪んだ認識
4.発症年齢は30歳以下である。
5.女性の場合は無月経である。
6.痩せの原因と考えられる他の器質的疾患がない。
神経性食欲不振症の診断基準(DSM-W-TR)
1.年齢と身長に対する正常体重の最低限、またはそれ以上を維持することの拒否(例:期待される体重の85%以下の体重が続くような体重減少、または成長期間中に期待される体重増加がなく、期待される体重の85%以下になる状態)
2.体重が不足していても、体重が増えること、または肥満することに対する強い恐怖
3.自分の体重または体型の感じ方の障害。自己評価に対する体重や体型の過剰な影響、または現在の低体重の重大さの否認
4.初潮後の女性の場合は、無月経、つまり月経周期が連続して少なくとも3回欠如する(注意:エストロゲンなどのホルモン投与療法を受けいていて服薬期間中のみ月経が起きている場合は、その女性は無月経の状態にあると認識される)
摂食障害(eating disorder)の病態と拒食症・過食症のオーバーラップ(重複)
神経性過食症の診断基準(DSM-W-TR)
1.むちゃ食いのエピソードの繰り返し。むちゃ食いのエピソードは以下の2つによって特徴づけられる。
A.他とはっきり区別される時間の間に、ほとんどの人が同じような時間に同じような環境で食べる量よりも明らかに多い食物を食べること。
B.そのエピソードの間は、食べることを制御できないという感覚。
2.体重増加を防ぐために不適切な代償行動を繰り返す。例えば、自己誘発性嘔吐、下剤、利尿剤、浣腸、またはその他の薬剤の誤った使用。絶食または過剰な運動。
3.むちゃ食いおよび不適切な代償行動は共に、平均して、少なくとも3ヶ月間にわたって週2回起こっている。
4.自己評価は、体型および体重の影響を過剰に受けている。
5.障害は、神経性食思不振症のエピソード期間中にのみ起こるものではない。
神経性食欲不振症・神経性過食症では、自己誘発的な嘔吐・下剤や利尿剤の乱用などの浄化行為がある『排出型』かそれらがない『非排出型』かの病型を区別する。
神経性無食欲症の診断基準
A. 体重減少は(小児では通常のように体重が増加せず)、標準体重あるいは年齢と身長から期待される体重より少なくとも15%以上下回っていること。
B. 「太るような食物」を自発的に避けることによって起こる体重減少
C. 肥満に対する病的な恐怖を伴った太りすぎというボディイメージの歪みがある。このため、体重の許容限度を低く設定して自らに課す。
D. 視床下部-下垂体-性腺系を含む広範な内分泌障害が顕在化する。それは、女性で無月経によって、男性では性的関心と性的能力の喪失によって確認される(例外として、避妊薬などの女性ホルモン補充療法を受けていると、神経性無食欲症の女性でも持続的な月経様の出血が認められる)
E. 神経性大食症(F50.2)の基準A、Bを満たさないこと

