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2015年10月20日

[R.エムディとJ.オソフスキーの“I FEEL Pictures”:母親は赤ちゃんの情緒・感情をどう読み取っているか?]

R.エムディとJ.オソフスキーの“I FEEL Pictures”:母親は赤ちゃんの情緒・感情をどう読み取っているか?

アメリカのコロラド大学の精神科医R.エムディ(R.Emde,1935-)は、乳児が泣き叫びやボディランゲージによって表現する情緒に対して適切に応答する母親の能力のことを『情緒応答性(emotional availability)』という概念で定義した。

アメリカ生まれのスイスの精神科医ダニエル・スターン(Daniel Stern, 1934-2012)は、母親が情緒応答性の能力によって読み取っている乳幼児の情緒信号の情報について、『カテゴリー情報(categorical information)』『勾配情報(gradient information)』に分類している。

カテゴリー情報というのは、ダーウィンの感情と呼ばれる『喜び・怒り・恐れ・悲しみ・驚き・不快』の6つの基本的な強い感情をベースにしたものである。勾配情報というのは、情緒の変化量についての情報のことであり、具体的には『情緒の強さ・抑揚・リズム・調子』などのことである。

精神科医のR.エムディ(R.Emde)J.オソフスキー(J.Osofsky)は、1974年から1976年にかけて母親が乳児の表情からその情緒をどのように推測して読み取っているのかを調べるために、『I FEEL Pictures』という乳児の顔写真(30枚)を使った心理テストを開発した。

I FEEL Picturesは生後12ヶ月の乳児の顔写真30枚を母親に見せて、『その赤ちゃんの表情がどのような感情を表していると思いますか?』という質問に答えてもらう簡易な心理テストである。I FEEl Picturesというのは“Infant Facial Expression of Emotion from Looking at Pictures”の頭文字を取った略称でもある。

この心理テストの回答はカテゴリー化されることによって、被験者である母親の情緒応答性の適切さなどを評価することが可能になる。慶応病院の精神科医・精神分析家だった小此木啓吾(おこのぎけいご,1930-2003)や深津らによって、日本人の母親の情緒応答性に合った日本人の赤ちゃんの刺激写真を集めた『日本版 I FEEL Pictures(JIFP)』も開発されている。

日本版 I FEEL Picturesは、本人が訴えることが少なく、外部からも知ることが難しい『育児不安・育児困難・児童虐待』などの早期発見・早期対応の育児相談に応用されており、主に1歳半や3歳の時の定期検診で実施されることもあった。2003年には長屋・深津らが、JIFPの18の情緒カテゴリーとは別に、情緒反応をより単純な7カテゴリーに分類し直して、母子関係の質・問題を調べられる『関係性評価カテゴリー』を作成している。

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posted by ESDV Words Labo at 23:31 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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