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2015年10月29日

[行為障害(Conduct Disorder):児童期の行動面の障害]

行為障害(Conduct Disorder):児童期の行動面の障害

行為障害(Conduct Disorder:CD)というのは、18歳未満の未成年者に適用される反社会的な問題行動(加害行動)の障害であり、反社会的かつ攻撃的(反抗的)な行動パターンを反復的・持続的に繰り返すという特徴がある。これらの反社会的行動パターンが、6ヶ月以上にわたって持続している場合に行為障害(CD)の診断が為される場合がある。

発達年齢に相応しい遵法精神・倫理観(善悪の分別)・罪悪感を持つことができず、社会規範・集団の規則(集団のルール)を簡単に破って逸脱したり、他人を躊躇なくいじめて苦しめたり物理的・精神的に傷つけたりする障害であり、基本的に『他人の気持ち・痛み』が分からないような加害的な行動を取る。行為障害は、18歳以上の人に診断されることのある『反社会性パーソナリティ障害(ASPD)』の前段階とも考えられている。

行為障害の逸脱行動や加害行為・いじめは、子供っぽい悪戯や悪ふざけ、調子に乗った気分、青年期の一時的な反抗、親との不仲などでは説明できず、他者を物理的に傷つけたり財物を盗み取ったり、小動物を殺傷するなどの『犯罪行為』に類する行動が繰り返し見られることに特徴がある。かつては司法・矯正教育の分野において、『非行少年・虞犯少年(ぐはんしょうねん)』と呼ばれていた少年の一部がこの行為障害に該当すると考えられる。

行為障害は小児期後期や青年期初期に発症することが多いとされ、攻撃性・支配欲と関係する男性ホルモン(アンドロゲン)の濃度の違いから、女子より男子に多く見られる障害である。医師はそれまでの小児の行動に基づいて診断するが、一般的に行為障害の小児は、自己中心的なわがままさが見られ、ルールのある学校生活(集団行動)に適応できず、他者を傷つけても罪悪感を感じることが殆どない。

行為障害は、他人の感情や苦痛に共感しないという特徴があり、他人の行動を妄想的に攻撃・脅迫と解釈して反撃しようとする被害妄想もあり、『いじめ・喧嘩・傷害・脅迫』などの非行の問題行動を頻繁に起こしやすいのである。生命の価値や他者の権利も理解できず無関心であるため、自分の存在感・有能性(支配性)を実感するために、自分よりも弱いクラスメイトをいじめたり殴ったり、小動物を殺傷するような動物虐待を行ったりすることもある。

自分の悪事をごまかすための嘘をついたり、欲しいものを我慢できずにモノを盗んだり、怒りや不満を制御できずにモノに当たって破損したり、犯罪行為としては暴行・脅迫・窃盗・強盗・放火などを行ってしまう『行為障害(反社会的パーソナリティー)を背景に持つ非行少年』も少なからずいる。

行為障害が早い時期に発症するほど回復は難しくなる傾向があるが、行為障害の児童の約50%は成人するまでの間に反社会的行動パターンが見られなくなって軽快・寛解し、学習の成果や人生経験の効果によって集団的な社会環境・人間関係にも自分なりに適応できるようになっていく。例外として、非常にストレスの多い環境(日常的な児童虐待・戦争や紛争の被害・政治的抑圧など)へ適応しようとして起こった反社会的行為は、行為障害としては診断されない。

行為障害の小児には、自分が悪いことをしているという病識の自覚がないため、治療は一般的に困難であるが、治療法として優先されるのは『誘惑・刺激・悪友などの問題の多い生活環境から離してあげること』であり、その上で『精神保健施設・児童相談所・児童自立支援施設などの悪影響の少ない好ましい環境で学習・人生経験を積む機会』を与えてあげることである。他の精神疾患・発達障害・学習障害が併発している場合には、それぞれの疾患に効果のある薬物療法によって反社会的行動も抑制されやすくなるケースがある。

行為障害の原因には、遺伝的要因と環境的要因の双方が関係していると考えられており、『親の薬物乱用、注意欠陥多動性障害、気分障害、統合失調症、反社会性パーソナリティ障害』がある場合には、有意にその子供の行為障害の有病率が上がるとされている。

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posted by ESDV Words Labo at 15:00 | TrackBack(0) | こ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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