ウェブとブログの検索

カスタム検索





2015年10月30日

[不登校・学校に通わなくなる原因:児童期・思春期の行動面の障害]

不登校・学校に通わなくなる原因:児童期・思春期の行動面の障害

日本の小中学校の生徒の不登校の件数は2007年から2012年にかけて減少傾向にあったが、2013、2014年に再び『不登校(学校不適応)の児童』が増加傾向に転じたと報じられている。文部科学省の不登校の定義では、『病気・経済的理由などの正当な理由なく1年間に30日以上学校を欠席すること』である。

2014(平成26)年度に病気や経済的理由など以外で年間に30日以上欠席した『不登校児』は、国公私立全体で小学校が2万5886人(前年度比7.0%増)、中学校が12万2902人(同2.7%)となり、いずれも2年連続して増加した。児童生徒1000人当たりの不登校児の数は、小学校が3.9人、中学校が12.1人で、小学校では過去最多となっている。

精神医学・臨床心理学分野の不登校の定義では、『学校に通学したいという意志があるのに通学できない・精神症状やストレス反応などを伴う神経症的葛藤がある』という項目も考慮されていたが、近年の不登校では室内でも友達関係・時間感覚を無視して楽しめるインターネットやゲームなどの娯楽環境の増加を背景に、『初めから学校に通学しようという意志・希望がない無気力・怠惰の型』にあてはまる生徒児童も増加傾向にあると言われている。

不登校の原因は大きく分ければ、以下のようになる。

1.学校生活・友人関係の問題……学校生活や集団行動、時間割通りの生活になじめない。友人関係における対立・疎外(仲間外れ)・いじめなどの問題がある。

2.学業・授業(勉強)への適応の問題……授業が理解できずついていけない。勉強や学習の遅れが目立って劣等感に苦しんでいる。学業の苦手意識や面倒くささが強くて怠学の傾向が出る。

3.家庭生活(親子関係)・経済状況の問題……規則正しい家庭生活が送れていない。親子関係が上手くいっていなかったり虐待の問題などがある。家庭の経済状況が困窮していて学校生活に必要な経費が支払えない。

4.本人のパーソナリティーや性格傾向の問題……自己愛が過度に強くて幼稚で未熟なパーソナリティー。他者への興味関心や思いやりに欠けていて人間関係が上手くいきづらい性格(あるいは発達障害的な問題)。刺激や変化に敏感で傷つきやすいパーソナリティー。完全主義的・義務的で挫折や失敗を受け入れられない強迫的な性格。ルールやマナーを守ることができず攻撃的・加害的なパーソナリティーなど。

学年(年齢)の低い生徒児童ほど、家庭環境・親子関係の問題(不規則な日常生活・情緒不安定になるような親の不仲・虐待)が原因で不登校になってしまうことが多く、小学校高学年から中学生くらいになると友人関係のトラブル・いじめや勉強についていけない(授業が分からないので面白くない)などの理由で学校に行かなくなってしまうことが多いとされる。

学校に行きたいとか行かなければならないと思っているのに学校に行けない生徒児童の場合には、『頭痛・腹痛・発熱・めまい・吐き気・下痢(過敏性腸症候群)』などの自律神経失調症・心身症の症状が出ることも多く、かつては『学校恐怖症(学校恐怖・大人なら出社恐怖による自律神経失調症)』と呼ばれていたこともあった。不登校・出社拒否などに伴う自律神経失調症の身体症状は、みんなが学校・会社に行っているのに自分だけが行けていないと思い込んでしまう『昼間の時間』に悪化することが多く、『夕方以降の時間』になると症状が軽減してくることが多い。

不登校が長期化すると『家庭内暴力・社会的引きこもり・学校の中退・就労困難やニート(長期無職の状態)』などの問題へと遷延して、社会的・経済的自立が困難になってしまうケースも多いので、できるだけ早い段階で子供・家族(親)・学校(先生)の率直な話し合いの場を設けて、『子供の家庭環境・学校生活・友人関係・学業の状況・生育歴や価値観』などに総合的に配慮しながら、その子が通学しやすい環境や精神状態を少しずつ整えていく必要がある。

学校不適応によって起こる不登校は、『不安・不満・恐怖に対する児童生徒なりの自我防衛機制の現れ(場合によっては生命の危機が生じるいじめなどが背景にあることもある)』として解釈することができるので、不登校の子供に対して『頭ごなしに叱責・注意・説教』をしても逆効果であり、『子供が何を不安・不満・恐怖に思っているのか』を共感的かつ段階的に理解して上げながら、『子供が安心・納得して通学を再開できるような環境・考え方』に向けていくという方法が望ましい。

2014年の文部科学省の調査研究では、不登校のきっかけとなった出来事・問題は、『不安など情緒的混乱(小学生36.1%・中学生28.1%)』『無気力(小23.0%・中26.7%)』『いじめを除いた友人関係の悩みや問題(小11.2%・中14.7%)』『いじめ(小1.2%・中1.1%)』となっており、いじめは大人が推測するよりは不登校の原因としては少ないようである。

スポンサーリンク
posted by ESDV Words Labo at 16:52 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック