児童虐待(child abuse)の問題と虐待による精神疾患の後遺症
児童虐待の被害を受ける子供には、小学生の児童も多いが、それよりも身体的・精神的に圧倒的に未熟で無力な『幼児期・乳児期』の発達段階にある子供が虐待を受けやすいという統計がある。性的虐待に限っては、第二次性徴期を迎える小学校高学年から中学生以上の女子児童・生徒が被害に遭うケースが多く、実親だけでなく連れ子のいる再婚家庭で問題が起こってしまう事もある。
児童虐待(child abuse)の分類・問題と児童虐待防止法の施行(2000年)
性的虐待の後遺症として、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や適応障害、解離性障害(多重人格障害)、パニック障害、社交恐怖障害などの精神疾患が起こることもあるが、性的虐待を受けている子供は思春期以降に『家出・性的逸脱(性非行)・性や恋愛の拒絶(異性とまともな関係を作れない)』などの問題行動が目立ってくることも多い。
乳幼児期の子供は、身体の発育も未熟であり骨もまだ脆いため、大人としては力を抜いた軽い殴打(軽く持ち上げて落とすなど)のつもりでも、その虐待行為が悲惨な死亡事故の結果(刑事上の傷害致死事件・殺人事件に相当)を招いてしまうことも少なくない。
子供の虐待は『不自然な外傷・多発性の外傷・殴打の痕としてのあざや出血・骨折ややけど』などによって発覚することが多く、警察に通報される事例も含めて、『連日のように親が大声で怒鳴ったり暴れたりしている・子供が恐怖や痛みで泣き叫ぶ大声がする』などによって近隣住民が児童虐待の兆候に気づいていることも少なくない。
児童虐待を起こしやすい親(養育者)の特徴としては、『自分自身が親から愛されて大切にされたという経験・記憶がない』『子供をどのように愛すれば良いのか(どんな愛情表現をすれば良いのか)どのように大切に育てれば良いのかが分からない』『暴力を振るっても子供のために必要な体罰・躾だと思い込んでいる』『共感性や想像力が乏しくて子供の痛み・恐怖・悲しみに対して鈍感である』などが知られている。
親から愛情や保護を受けられずに自分も虐待されていた親(養育者)が、『子供への愛情表現・子供の護り方や接し方』が分からないために、自分もまた子供に暴力を振るったり暴言を吐いたりしてしまうという問題が、『虐待の世代間連鎖(アダルトチルドレンの世代間連鎖)』の構造・影響として取り上げられることもある。
児童虐待を防止するためには、親に対する子育て教育や育児支援の充実が何よりも不可欠であるが、国民一般が自分も参加しながら『社会で子供を育てる(社会で子供を見守る)』という意識をもつこと、児童虐待を発見した時には一時保護や通報をすることも必要である。
不幸にも児童虐待の問題が起こってしまった時には、『児童の安全確保・精神的ケア』を最優先にしながら、医療・児童福祉・心理臨床(児童心理支援)の専門家や関係者が適切な介入を行って子供の被害を軽減していく。それと同時に、虐待してしまう親の再犯を防止するための教育的・矯正的な対応(及び事後的な子供の定期的な安全確認・生活状況のチェック)も進めていかなければならない。

