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2015年12月20日

[青年期精神医学の診断と治療のポイント1:青年期の急激な精神発達と環境の変化]

青年期精神医学の診断と治療のポイント1:青年期の急激な精神発達と環境の変化

青年期(adolescence)は急速に心身・環境が変化する発達のプロセスであり、青年期に発生する精神医学的な疾患や問題はその発達プロセスの影響を強く受けている。青年期は『第二次性徴期』が成熟してきて、男性・女性としての生理的かつ性自認的な変化が急速に進み、恋愛関係(異性関係)にまつわる喜びと苦悩、優越感と劣等感の両極で揺れ動きやすい時期でもある。

青年期には知識・経験が増加したり抽象的な思考能力が向上したりすることで、それ以前よりも総合的な認知能力も飛躍的に発達するので、『哲学的・実存的な生きる意味(自己の価値)にまつわる苦悩』も深まりやすい。心理的な問題が『多様性・複雑性』を持ち始めることで、それぞれの青年ごとの世界観や人間関係の個人差も大きくなってくる。その結果、『青年個人に固有の性格傾向と悩み・適応水準と発達課題』が浮かび上がりやすくなるわけである。

青年期の患者に対する精神医学的な診断は、一般に正確な診断が難しいことが多いと言われる。それは成人期の患者と比較して『精神発達過程の中途の段階』にあるからであり、『精神疾患なのか一時的な発達の停滞による精神機能の乱れなのか』の判断に一定の曖昧さが含まれやすいからである。

生理・認知・心理・社会適応などの各種の発達過程の急激な変化の影響によって、精神疾患・パーソナリティー障害の本来の病態・特徴が修飾されやすかったり歪められやすかったりすることも、鑑別的な診断の難しさの一つの要因になっている。

青年期の患者は言語能力・抽象的な思考能力はそれなりに高くなっているのだが、『自分自身の主観的な苦悩・精神症状・世界観』を他者に明瞭かつ具体的に語るだけの人生経験・表現能力が不足していることが多く、また自尊心や羞恥心によって本心を語ることを躊躇しやすい。そのために、診療場面でどのような症状や苦悩があるのかを確実に判断することが難しくなりやすいのである。

青年期でも成人期以降と同様に、『統合失調症・双極性障害(躁うつ病)・うつ病の気分障害(感情障害)・不安性障害』などの精神疾患が発症するリスクがあるので、特に重症度の高い精神病の場合には早期発見・早期治療が大切になってくる。

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posted by ESDV Words Labo at 07:05 | TrackBack(0) | せ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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