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2016年02月04日

[リゾーム(rhizome):ドゥルーズとガタリの『千のプラトー』の現代思想]

リゾーム(rhizome):ドゥルーズとガタリの『千のプラトー』の現代思想

フランスの哲学者ジル・ドゥルーズ(Gilles Deleuze,1925-1995)と精神科医フェリックス・ガタリ(Pierre-Felix Guattari,1930-1992)の共著『千のプラトー』の比喩的な概念あるいは哲学用語として『リゾーム(rhizome)』がある。

ドゥルーズやガタリのポストモダンの現代思想は1980年代の日本の思想界でも流行して、浅田彰(あさだあきら)『構造と力』などの著作が書かれた。

『千のプラトー』の序論でジル・ドゥルーズが提唱したリゾーム(rhizome)は、単語の直接的な意味としては『地下茎・根状茎』であるが、上下関係や二項対立の特徴を持つ階層秩序の『ツリー状』と反対の意味を持つ概念として定義されている。リゾームとは不確定な状態にある諸要素が相互横断的に生成されている複座かつ自由な状態であり、階層秩序・予定調和を壊して不確定性を増している現代社会(資本主義)の現実を捉えた概念なのである。

リゾームとは『地下茎(根状茎)』のように複雑に入り組んでいて、特定の中心を持たずに異質な線が交錯し合っている状態であり、多様な流れが方向を変えながら延びていく不定形の網状組織のことであるが、端的には現代社会と高度資本主義(消費文明)のリアルのメタファーとして用いられている。リゾームは国家主義的あるいは前近代的な階層的な上下関係の秩序を否定する概念という意味で、『ポストモダン思想』のキーコンセプト(鍵概念)の一つと考えられている。

リゾーム的ではない階層的な上下関係の秩序のことを『ツリー状』と呼んでいるが、それは『幹・枝・葉』などの形態的かつ構造的な秩序が階層性に見立てられているからである。

樹木の形態とその構成要素の必然的な並び方が階層秩序的な『ツリー状』を為しているということである。ツリー状が縦断的(階層的)な縦の関係で結びついているのに対して、リゾームは横断的(並列的)な横の関係で結びついているという特徴があり、多方向的かつ不確定的に展開される現代社会(高度資本主義社会)の現実としてリゾームの地下茎的な構造があるのである。

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posted by ESDV Words Labo at 23:19 | TrackBack(0) | り:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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