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2016年05月12日

[ポール・ウィリス(Paul E. Willis)『ハマータウンの野郎ども』1:イギリスの階級社会のフィールドワーク]

ポール・ウィリス(Paul E. Willis)『ハマータウンの野郎ども』1:イギリスの階級社会のフィールドワーク

イギリスの社会学者ポール・ウィリス(Paul E. Willis,1950〜)は、1970〜1980年代のイギリスで学校教育からドロップアウトした『不良学生・労働者階級・暴走族』の生活様式や文化・価値を、エスノグラフィー(ethnography,民族誌)の手法で研究した。

ポール・ウィリスのいう『労働者階級』とは、中流階級を構成する企業のサラリーマン(一定の学歴を得てから主にスーツを着て仕事するホワイトカラー)や専門職の従事者ではない、工場・土木などの現場で肉体労働を提供するブルーカラーのことである。

このブルーカラーで構成される労働者階級は、従来、学校教育の学力競争に適応できずに仕方なく労働者階級になると考えられていた。だが、ウィリスの社会教育学ではむしろ彼らが学校教育や中流階級(上昇志向)の価値観と敢えて対立することで、半ば自発的に意図せざる結果として労働者階級を再生産することが明らかにされていく。

ポール・ウィリスの代表著作は、イギリスの労働者階級になっていく不良的な若者世代をフィールドワークで調査研究した『ハマータウンの野郎ども,1977年(原題 "Learning to Labour: How Working Class Kids Get Working Class Jobs")』であり、イギリスの『階級社会』の意識・行動レベルの再生産のメカニズムの一部が説明されている。

学校教育に適応せず(適応できず)に反抗する不良・暴走族の若者たちが、『意図せざる結果』として親世代と同じような労働者階級(ルーティン・低賃金・過酷な環境の肉体労働者)を再生産していく仕組みが描かれている。

ハマータウン(都市名は仮名)はイギリスの典型的な労働者の町であり、学校教育の文化の中で『不良・おちこぼれ』とみなされている男子中学生の日常生活と価値観、卒業後の進路・職業をフィールドワークで調査しながら分析していく。ハマータウンのモデルとなった実際の町は、バーミンガム北方にあるソホ(Soho)だとされている。

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posted by ESDV Words Labo at 06:55 | TrackBack(0) | う:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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