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2016年08月21日

[精神医学の診断的面接:クライエントの受診動機とラポール形成の傾聴]

精神医学の診断的面接:クライエントの受診動機とラポール形成の傾聴

精神医学の診断的面接では、最初に『クライエントの受診動機の見極め』『質問を介したラポール(相互的信頼感)の構築』から行っていくことになる。クライエントの受診動機では、自分自身が希望して診療に訪れているのか、それとも家族や上司などに言われてきたのか、嫌々家族に連れられてきているのかの見極めが重要になる。

自分で望んでやって来た前者であれば、一般に診療の動機づけが高くなり積極的に治療に参加してくれるが、後者の場合には『本人が自分の現状の問題や病気の存在を認めて前向きに治療に取り組もうとする姿勢』ができあがるまでは治療が停滞しやすい。

記述的診断と精神力動的診断2:力動精神医学(力動心理学)によるクライエントの内的世界の理解

診断的面接では、クライエントの『表情・態度・印象・コミュニケーションの取り方(意志・感情の疎通性)』を丁寧に観察して、受診の動機づけの事情を理解しながらラポール(相互的な信頼感)を形成していく。クライエントの症状・問題の観察と記述を行う精神科医(心理臨床家)の態度は大きく分けて、『クライエントと心理的距離を置く客観的観察』『クライエントの主観に共感したり感情移入したりする了解的理解』の二つに分けられる。

クライエントの正常なパーソナリティー構造における意識・記憶・体験の連続性を時間軸に沿って振り返りながら、いつからどの部分がどのように異常を来たしてきたのか、病態化のプロセスがどのように進行してきたのかを吟味する。更に、クライエント本人が異常・病気であると認識している部分と自分では異常性を認識できていない部分とを区別していく。

クライエント本人が『悩み・苦しみ・つらさ・問題・異常』として訴えてくる主訴に共感しながら耳を傾けていく行為そのものが、クライエント中心療法(来談者中心療法)の『徹底的傾聴・共感的理解』としての効果を持っていて、クライエントの心をオープンにしてラポールを築きやすくする。クライエントの主訴で多いのは、自律神経失調症を伴う不安感・強迫観念・身体表現性障害といった神経症的な症状であり、それに続いてうつ病やパニック障害、境界性パーソナリティー障害(特に対人関係面の不安定さやトラブル)などの主訴が多い。

不安感を症状として訴える主訴では、特定の対象や物事についての不安があるケース、対象や物事を特定することができない漠然とした不安が続くケースがあるが、全般性不安障害としての診断がつきやすいのは対象が特定されない漠然とした不安感である。全般性不安障害やパニック障害などの不安障害のカテゴリーでは、『めまい・吐き気・呼吸困難(不安発作)・心悸亢進・手足の振るえ』などの自律神経失調症の症状が併せて出やすくなる特徴もある。

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posted by ESDV Words Labo at 22:38 | TrackBack(0) | せ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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