自我の自律性とメンタルヘルス2:パーソナリティーの機能・水準
自我の自律性によって人間は『仕事をする・考える・会話をする・勉強する(読み書きする)・歩く・食べる・眠る・排泄する・性行為をする』などを自然に安定して実行することができるのであり、自我の自立性が大幅に低下したり麻痺してしまうと、通常の日常生活や社会活動を続けることが著しく困難になってしまうのである。
自分の願望・欲求とせめぎ合う『葛藤』があったり、強い『不安・緊張』があったりすると、自我の自律性が障害されて当たり前にできるはずの『日常生活・仕事や勉強・社交や対話・人間関係』などができなくなり、遂には病理的な精神疾患を発症してしまうこともあるということである。
自我の自律性とパーソナリティーの健康度1:パーソナリティーの機能・水準
『葛藤・不安・緊張・恐怖』などが生み出す自我の自律性の障害というのは例えば、仕事や勉強が今まで通りにできなくなる、神経症的な失声・失立、摂食障害(拒食症・過食症)、睡眠障害、書痙(しょけい,字を書く時に手が振るえる)、頻尿、下痢(過敏性腸症候群)、性機能障害などである。不安感や緊張感が高まると、自律神経が乱れて頻尿・下痢になる人は多いし、眠れなくなったり食べられなくなったり(逆に食べ過ぎたり)といった病的な症状も出やすくなる。
情緒的な不安・緊張・葛藤、衝動性や罪悪感があったりする時に、その人が本来持っている自我の自律性・機能性がどのくらい乱れたり麻痺するかには非常に大きな個人差があり、ストレス耐性や問題解決能力などとも相関している。非常に強い不安や緊張に襲われてもおかしくないストレス状況があっても、ストレス耐性が強かったり問題解決的な行動ができたりする人であれば、深刻な自我の自律性の障害や混乱はなかなか起こらないのである。
また不安・緊張・葛藤などがあっても、今まで通りに仕事や勉強(通学)はできているが、睡眠障害や摂食障害、パニック障害、自傷行為(境界性パーソナリティー障害)などの精神疾患の症状が現れるといった『自我機能の部分的な麻痺・障害』が起こることもある。