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2016年12月04日

[自我機能としての外界と自己に対する現実感(sense of reality)1:自己アイデンティティの連続性・一貫性]

自我機能としての外界と自己に対する現実感(sense of reality)1:自己アイデンティティの連続性・一貫性

人間の精神の正常性や健康度は『自我の現実認識機能(現実検討機能)』に支えられていて、自我の現実認識機能が障害されると統合失調症や解離性障害(離人症など)を発症することにもなる。自我の現実認識機能の中心にある感覚が、外界と自己に関する『現実感(sense of reality)』であり、現実感は一般的に『リアリティー』と呼ばれるものである。

外界、他者、自己、身体に適切な現実感を抱くことによって、精神・行動の正常性(健康度)が保たれているのだが、良好な精神状態であれば『外界が生き生きしている臨場感のある感じ』や『外界に親しみや馴染みがあって落ち着ける感じ』を味わうことができる。更に健康な精神状態では、自己と外界・他者を区別して認識する『自他の境界線(boundary)』が明瞭でしっかりしているが、境界性パーソナリティー障害などではこの自他の境界線が障害されて、『他者との適切な距離感』が分からなくなってしまう。

自我の現実認識と自他の境界線によって、『心身のリラックスした融合感』『自分らしさを保った自己感』を主観的に体験して維持することができるのである。『現実感(sense of reality)』が低下したり病理化すると、外界に対する疎隔感が生じて、自己と身体の実在感・所在感が失われ、自意識の連続性・一貫性(自己アイデンティティ)が障害されてしまうのである。

離人症や解離性健忘などの解離性障害の診断基準では、外界を親しみのある存在として体験できなくなったり(外的な現実・他者・事物が自分とは全く関係のないものとして疎隔感が生じて適応的な行動ができなくなったり)、現実感のない夢想・幻覚のような形でしか外界を体験できなくなってしまうことも重視される。

自己・身体の現実感(リアリティー)が失われる時には、自己の身体の一部が異物のような違和感をもって体験されたり、身体が自分のセルフコントロールから離れて勝手に動く『非自己』として体験されたりすることになる。自己アイデンティティの連続性・一貫性も障害されやすくなり、記憶・意識・感情などが『断片化・分裂化』してしまい、自分自身を『統合された一貫性のある自己存在』として感じにくくなるのである。

自己アイデンティティの連続性・一貫性が障害されると、相手・場面・情緒によって簡単に『自己感・自己像・記憶内容』が極端に移り変わって混乱する『自己アイデンティティの拡散』が起こって、『自分らしさ』を保てなくなってしまう。

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posted by ESDV Words Labo at 03:09 | TrackBack(0) | し:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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