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2007年06月12日

[言語聴覚士・言語療法士(ST)の言語聴覚療法(speech therapy or language therapy)]

言語聴覚士・言語療法士(ST)の言語聴覚療法(speech therapy or language therapy)

前回の記事で、国家資格である言語聴覚士の受験資格と職業領域(仕事内容)についての概略を解説したが、言語聴覚士という職業を簡潔に表現するならば、リハビリテーションやアセスメント(臨床評価)を的確に実施できる言語療法士(ST)のことである。言語療法士はその名称の通り、さまざまな理由や経緯によって『音声障害・言語障害・聴覚障害』を持つようになったクライアント(患者)の臨床的な評価及び治療を行う。

言語療法士(言語聴覚士)は、総合病院や耳鼻咽喉科、リハビリテーション科などの医療機関において言語障害者・聴覚障害者の機能回復や障害軽減を目的とするリハビリテーションや治療的働きかけを行い、言語障害特殊学級などの教育機関では、子供達の言語的コミュニケーションを改善するために、効果的な教育プログラムを立てて指導助言を行っていくことになる。

病気や怪我、脳損傷などによって障害されたコミュニケーション能力を改善する為に、『患者本人・本人の周囲にいる関係者・病院や学校などの環境要因』に系統的に働きかけていくのも言語聴覚士の仕事であり、そういった言葉を用いたコミュニケーション機能や言語を司る高次脳機能の回復・改善を目的とする専門的アプローチを総称して『言語療法・言語聴覚療法』と呼んでいる。

言語療法は英語では“speech therapy”あるいは“language therapy”であるが、前者は『話し言葉(音声言語)の障害に対する治療』であり、後者は『書き言葉(言語の意味・規則・記述)の障害に対する治療』なので、日本語では同じ言葉になるがその治療・訓練(リハビリ)の内容は全く異なったものとなる。

言語療法の最終目標は、言語障害者や聴覚障害者の持っている『他者とのコミュニケーションを可能にするポテンシャル(潜在能力)』を最大限引き出して上げることであり、コミュニケーション機能と高次脳機能を可能な限り回復して日常生活における障害や問題を軽減することである。

“speech therapy”の言語療法は、主に『言語の意味や規則は理解しているが、何らかの要因によって言葉を話せない』という患者に対して実施されるもので、代表的な疾患(問題)としては、『脳血管障害(脳梗塞)の後遺症・構音障害・音声障害・嚥下障害(モノや唾を上手く飲み込めない障害)・先天性奇形の口蓋裂・運動性の失語症・聴覚障害・吃音(きつおん, どもり)・乳幼児の摂食障害(口腔器官の発達遅滞)・脳損傷による高次脳機能障害』などがある。

それに対して、“language therapy”の言語療法は、主に『言語の意味・規則・内容・記述方法自体を適切に理解していないために、他者とコミュニケーションが上手くできない』という患者に対して実施されるもので、代表的な疾患(障害)としては、『言語発達遅滞・知的障害(精神遅滞)・自閉症など広汎性発達障害(PDD)・学習障害(LD)・ダウン症・認知症(アルツハイマー型認知症)・重度の器質性の失語症』などを考えることができる。



posted by ESDV Words Labo at 05:35 | TrackBack(0) | け:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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