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2017年01月27日

[ハンス・アスペルガー(Hans Asperger)の『フリッツ・Vの症例』とアスペルガー障害:2]

ハンス・アスペルガー(Hans Asperger)の『フリッツ・Vの症例』とアスペルガー障害:2

フリッツ・Vは、幼児期になると友達と上手く遊べないとか友達と一緒の場に参加できない、他人に興味を示さない、気に入らないと相手を叩く(気に入ると急に抱き着く)、他人との距離感がないなどのアスペルガー障害(自閉症スペクトラム)に特有の『社会性(対人関係)の障害』が目立ってきたのである。

ハンス・アスペルガー(Hans Asperger)の『フリッツ・Vの症例』とアスペルガー障害:1

知能が高くて言語能力・計算能力(数字の概念)の発達も早かったのに、『他者との関係性・距離感を踏まえた適切なコミュニケーション』ができず『相手がどう感じているか何を考えているかを推測して対応する能力(心の理論と呼ばれる共感と推測の能力)』も著しく低かった。

小学校に入学するとすぐに、じっとしていられず先生の話を聞くこともできずに落ち着きなく教室を歩き回り、同じクラスの子供を気に入らないと急に叩いたり、教室内のモノを壊そうとしたりするなどのトラブルを起こして、H.アスペルガーの小児科(小児精神科)に紹介されてきたのである。

アスペルガー障害などの自閉症スペクトラムには『遺伝要因・家族要因(家族歴)』も関係しているとされる。フリッツ・Vの母親と父親にも『共感的なコミュニケーションの乏しさ・感情表現の苦手さ・一人で仕事や趣味に没頭することを好む・物事の細部へのこだわりが強い・他人に興味が薄く距離感が遠い』などの広汎性発達障害に似た特徴が見られたとされる。

特にフリッツ・Vの母親は家事・育児や共感的な交流が苦手で、ストレスが強くなると自分の趣味な登山に一人で出かけて没頭していたようで、母方の家計に連なる人物には『社交的・世俗的ではない(他者と感情的・社交的な付き合いを殆どせず自分の世界や趣味にのめりこむタイプの学者・芸術家など)浮世離れした人物』が多かったとされる。

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posted by ESDV Words Labo at 15:57 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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