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2017年01月29日

[ローナ・ウイングのアスペルガー障害の3つのタイプ:積極奇異型の特徴]

ローナ・ウイングのアスペルガー障害の3つのタイプ:積極奇異型の特徴

イギリスの女性精神科医ローナ・ウイング(Lorna Wing, 1928〜)は、アスペルガー障害(Asperger Disorders)を以下の3つのタイプに分類している。アスペルガー障害全般に共通する特徴として、積極的でも消極的(受動的)でも『対人関係の不器用さ・トラブル』が目立つということがあり、『双方向的・相互的なコミュニケーションの苦手さ(不自然な身体の動き・表情・堅苦しさ・大げさな感じなど)』もある。

1.積極奇異型

2.受動型

3.孤立型

積極奇異型のアスペルガー障害は、物事に対する興味関心が強く、新たな出来事への好奇心も持っているので、『積極的だが奇妙な印象を与える行動』が特徴となる。アスペルガー障害の中では比較的多い典型的なタイプの一つであり、『相手の都合・感情・事情』などに配慮することなく、一方的に捲し立てるようにしゃべったり、TPOにふさわしくない常識はずれな言動(相手の気にしていることに対するストレートな発言など)をしたりするので、対人トラブルが多くなる。

基本的に節度なく饒舌に良くしゃべるタイプだが、相手の気持ちを考えた言動をしづらく、理屈っぽい知識自慢や批判めいた発言を繰り返したりするので『相互的なコミュニケーション(気軽な楽しい雑談・相手の話を聴きながらの対応)』が成り立たなかったり、話しているうちに相手を怒らせてしまうという問題が起こりやすい。

自分の興味関心のあることばかりを一方的に延々と話し続けたり、相手の話そうとしている内容には完全に無関心で反応がなかったりする(共感・同意・話を広げるなどの反応がない)ので、相手側にコミュニケーションする満足・楽しさを感じてもらうことが難しいのである。

子供時代には特に積極的な他者への関わり、奇妙で自己中心的な言動が目立ちやすいが、思春期頃になってくると『周囲から奇異な人物と見られて敬遠されること』を恐れて、次第に本来の自分の言動や態度を強く抑制して自分を適度に装おうとするような態度が出てきやすくなる。

子供時代から衝動的で落ち着きがなく、特定分野の記憶力(特にモノ・場所・地理などに関する機械的な暗記力)や学習能力は高いのだが、『忘れ物が多い・整理整頓や片付けができない・提出物を出さない・授業中に先生の話を静かに聞けない・身だしなみが乱れている・教師や大人に敬語が使えない・常に上から目線で横柄な言動になる』などの問題行動が見られるケースが多い。小中学校くらいでは学業成績は高いくらいのことも多いので、落ち着きがなくてわがままな生徒と見られていても、アスペルガー障害(広汎性発達障害)の可能性は見落とされやすい。

自分の得意分野だったり興味関心のあることであれば、『学業・仕事・職業』においては人並みあるいは平均以上の適応(成績)を示すことも珍しくないし、自分の好きな物事に対する知識・情報は非常に豊富だったりもする。だが、『日常生活・人間関係における常識やマナーを弁えない天真爛漫とも言える言動』が対人トラブル・社会不適応の原因になってしまうこともあり、『片付け・整理・自制・マナー遵守』などが上手くできずにだらしのない人に見られてしまうこともある。

アスペルガー障害の3つのタイプすべてに共通する特徴として、『興味関心の過度の偏り・特定分野のみに突出した知識情報の多さや得意さ』もある。大多数の人がほとんど興味を持たないような事象の細部に強烈な興味を持って熱中したり、膨大な数の知識・情報をそのまま完璧に暗記したり複雑な計算をこなしたりすることもある。

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posted by ESDV Words Labo at 08:59 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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