ウェブとブログの検索

カスタム検索





2017年03月09日

[アスペルガー障害と心の理論2:頭で分かる認知的共感と心で感じる情動的共感]

アスペルガー障害と心の理論2:頭で分かる認知的共感と心で感じる情動的共感

子供は9歳頃になると『相手を傷つけたり不快にしたりする言葉』『相手の表情・態度・目線が意味する気持ち・内面』が概ね分かるようになり、(特別にいじめたいとか攻撃したいとかいう意図がない限りは)意識してそういった言葉を相手に使うことを避けるようになってくる。

アスペルガー障害の子供もこういった『心の理論の発達』を前提とした、人を傷つける言葉の自己抑制ができないわけではないが、通常は9歳頃にできることが12歳以降までかかることが多く、状況・文脈・他人の気持ちに配慮したコミュニケーション面の発達に遅れが見られるのである。

アスペルガー障害と心の理論1:他人の嘘や騙しにも気づきにくい単純さ・純粋さ

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)であるアスペルガー障害の『人間関係(社会性)の障害』『コミュニケーション(言葉の発達)の障害』の中核的症状は、分かりやすく言えば『他者に対する共感性の乏しさ』に集約される。その他者に対する共感性の乏しさの原因として考えられているのが、『心の理論の障害』『情動的共感の弱さ』なのである。

心の理論については色々な説明をしてきたが、心の理論というのは他人の感情・意図を推測して『頭で分かること』であり『認知的共感』と呼ばれることがある。『情動的共感』とは頭で分かる認知的共感の反対の概念であり、『心で感じること』である。つまり、他者と感情や感動を共有して実際に感じる能力であり、一緒になって相手と同じように心を弾ませたり(興奮したり)落ち込ませたりすること(抑制したりすること)ができるということなのである。

人間の脳は一般的な精神発達プロセスを辿ることができれば『情動的共感』ができるように遺伝子的に設計されているとも言われるが、近年では他者の感情・気分の波動や雰囲気を自然に感じ取れる脳(高次脳機能)のことを『ソーシャルブレイン(社会的脳)』という概念で表現することもある。ソーシャルブレインは相手の感情・気分の波動を読み取りながら行うコミュニケーション能力の基盤にある『相互応答性・文脈や関係性の配慮』と深い関係があると考えられている。

スポンサーリンク
posted by ESDV Words Labo at 05:42 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック