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2017年03月09日

[アスペルガー障害・自閉症とソーシャルブレイン2:情動的共感が弱いために成功することもある]

アスペルガー障害・自閉症とソーシャルブレイン2:情動的共感が弱いために成功することもある

自閉症の子供は『モノ・風景の写真』と『顔の写真』を記憶させる実験を行うとモノ・風景の写真のほうをよく覚えている傾向があるというか、厳密には(一般の人は明らかに顔の写真のほうをよく覚えているのだが)顔の写真の記憶力が特別に上がってこないのである。この実験結果は、自閉症(アスペルガー障害含む自閉症スペクトラム)の子供のソーシャルブレインの発達不全を現わしており、顔を特別なものとして認知していないということを示している。

アスペルガー障害・自閉症とソーシャルブレイン1:人間の『顔』に対する特別な認知能力

自閉症・アスペルガー障害ではない健常な人のソーシャルブレインは、『人間の顔』を特別な興味関心・記憶・好き嫌いの対象として扱うように遺伝的・発達的に設計されているものなのだが、特に重症度の高い自閉症では『人間の顔』『モノ・風景・顔以外の身体』との注意・興味・価値の区別がほとんど無くなっているのである。

アスペルガー障害の人は他者の感情や意図に対して、『頭で分かること=認知的共感』『心で感じること=情動的共感』の双方が苦手であり、他者の表情や態度から気持ちを読み取る『ノンバーバル・コミュニケーション(非言語的コミュニケーション)』もあまりできないことが多い。

相手との共感体験ができず相互的なコミュニケ―ションが盛り上がりにくいために、他人と親密な関係を築きにくいとか感情の関係するトラブルを起こしやすい(人を怒らせやすい傷つけやすい)とかいった『人間関係(社会性)の障害』が起こりやすくなってしまうのである。

ただし同じアスペルガー障害という診断を受けている人であっても、『心の理論(頭で分かる他者への共感)』『情緒的共感(心で感じる他者への共感)』の発達水準にはかなり大きな個人差があるのである。例えば、人によっては他者の気持ちを感じる情緒的共感があるのに、心の理論があまり発達していなくて『他者の騙そうとする意図』に気づけなかったりするケースもあるし、冷静な心の理論だけが発達していて他者の感情の波動に呑み込まれにくいケースもある。

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)やアスペルガー障害で知能が高いタイプの人の中には、『学者・政治家・研究者・経営者・軍人』としてのキャリアを築いて大きな成功を手に入れる人もいるとされる。そういったアスペルガー障害の人たちは頭で他人の意図や感情を分かることのできる『心の理論』がかなり高度に発達しているのに、他人に実際に共感したり同情したり(罪悪感を感じたり)する『情緒的共感』が弱いケースであることが多く、(他人の強い気持ちに左右されにくいために)冷静な判断に従った合理的かつ功利的な行動ができやすいのである。

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posted by ESDV Words Labo at 05:48 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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