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2017年04月04日

[アスペルガー障害の『こだわり行動』と『興味関心の狭さ』2:強迫性障害との違い]

アスペルガー障害の『こだわり行動』と『興味関心の狭さ』2:強迫性障害との違い

自閉症の常同行動やアスペルガー障害のこだわり行動(狭い領域への関心の集中)は、本人が意識してやめることができないという意味では、非合理的な思考・行動を自分で止めることができずに苦しんだり悩んだりする『強迫性障害の強迫行為』とも似ているが、常同行動・こだわり行動は強迫性障害とは違って『主観的な苦悩・違和感』がないという点で明確に違っている。

アスペルガー障害の『こだわり行動』と『興味関心の狭さ』1:特定の行動パターンへの固執性

自閉症やアスペルガー障害の人は、特定の行動パターンに固執して繰り返すことについて悩んだり苦しんだりしているわけではなく、むしろ同じ行動パターンを繰り返すことで精神状態を安定させたりストレスを和らげていることが多い。強迫性障害の人は、強迫観念・強迫行為が無意味で非合理的なもの(バカバカしいもの)であることが分かっていて、それに苦しんだり悩んだり恥ずかしく思っていることが殆どである。

強迫性障害の人は、自分でなかなか制御できない強迫行為に違和感・異常性を感じて、できればやめたいと考えているので人前ではできるだけ強迫行為を隠そうとするが、自閉症スペクトラムの人は一般的に自分の常同行動・こだわり行動を人に見られないように隠そうとはしないのである。

アスペルガー障害のこだわり行動は、『他人にも自分と同じ規則や秩序を守らせようとする傾向(他人を自分の決まったルールに従わせようとして、従わないと怒ったり不機嫌になる傾向)』によって対人トラブルにつながる恐れがあるが、一般的には成長するに従ってこだわり行動(反復行動)は弱まって目立たなくなることも多い。

しかしアスペルガー障害の人には、同じことを繰り返したいとか決まったルールや方法論に従ってやりたいとかいった『反復への欲求』が思春期・青年期以降の大人になっても残ることは多く、『自分だけにしか通用しない複雑かつ体系的・儀式的な行動パターン』が人にはっきりとは分からない形で残っていることもある。

あちこち色々なことに幅広く興味関心を持つことがなく、今日はいつもとは違ったモノを選んでみようとか別のやり方を試してみようとかいうこともないのが、『規則・秩序・反復(いつもと同じことの繰り返し)への欲求と固執』を持つ自閉症スペクトラムの一つの特徴であると言える。

昼食(ランチ)は必ずAのお店のあの席で食べるとか、眠る時間は必ず午後11時半でないといけないとか、階段の数を必ず数えて登るとか、毎日の仕事の曲げられない決まった手順や方法とかいった、『自分にとってのいつもの行動パターン』をそれとなく頑固に維持しているようなところがあるのである。

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posted by ESDV Words Labo at 03:12 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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