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2017年04月09日

[アスペルガー障害の各種の特徴と感覚過敏性の影響]

アスペルガー障害の各種の特徴と感覚過敏性の影響

アスペルガー障害を含む自閉症スペクトラムに見られる特徴として、以下のようなものがある。アスペルガー障害と自閉症(高機能自閉症は知能発達の遅れはないが)の大きな違いは、『言葉・知能の発達の遅れがないこと=言語的・論理的・抽象的な能力が平均以上に高いこともある』である。

1.五感の感覚刺激に対する感覚過敏性。

2.非言語性学習障害(NLD)

3.動作がぎこちなくて運動が苦手

4.実行・遂行機能の低さ

5.ADHD(注意欠如多動性障害)と類似した不注意・多動の問題。

6.空想・夢想に耽溺しやすい、(直接の対人関係よりデジタルな反応・刺激・成果を好んで)ゲーム依存症・ネット依存症になりやすい。

特徴の一つとして『感覚過敏性』がある。『視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感の感覚』で感じ取る『光・音・におい・味・触感』に対する過敏性がでやすいのだが、視覚が過敏だと視野の範囲で動くものがあれば集中できず、白地に黒の文字で書かれた文書はコントラストが強すぎて非常に読みづらく感じたりする。

聴覚が過敏なタイプだと、掃除機・洗濯機・炊事などの生活音にも敏感に反応して苦痛を感じたりイライラしやすく、普通の人にとっては心地よいメロディーである飲食店の小さな音量のBGM(歌謡曲)などもうるさいノイズに感じて落ち着くことができない。味覚も好き嫌いが激しい偏食の傾向があり、『食べられるもの』と『食べられないもの』の違いがはっきりしていることが多い。

触覚も敏感なので人に触られることを嫌う傾向があり、自閉症に近い自閉症スペクトラムだと洗面・散髪・爪切りなども一般に苦手である。感覚過敏性の問題を抱えているために、自閉症スペクトラムの人は『偏食・集中困難・授業不適応・睡眠障害・スキンシップ困難・生活音トラブル』などの日常生活の支障が生じやすいのである。感覚過敏で物事に集中できないので仕事や勉強の効率性が低下したり、睡眠不足や苦痛・イライラによって普通の人よりもかなり疲れやすくなりぐったりしやすい。

感覚過敏による集中困難や思考力低下は、二つ以上の仕事や作業を同時進行でこなす『マルチタスク』を苦手にしたり不可能にしたりもするが、『二つ以上の対象(課題)』がある時にどちらか一つだけに選択的に注意を向けることが基本的に苦手なのである。二つ以上の感覚情報を同時処理することができず、また複数の感覚情報が混じってしまうと生理的な気持ち悪さ(居心地の悪さ)を感じやすい。

二つの作業を交代でこなしたり、食べながら話したり(相手の目・表情を見ながら話したり)、聞きながらノートを書いたりといったマルチタスクが苦手なのだが、その原因は『視覚・聴覚などから得る二つ以上の情報』に同時に注意を向けられないことにある。感覚器官から得られた複数の情報が混じってしまうと、アスペルガー障害や自閉症の人は認識が混乱したり、ただ不気味で不快な刺激としてだけ受け取ってしまうのである。

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posted by ESDV Words Labo at 22:46 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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