恋愛心理の“Love(愛情)”と“Like(好意)”の違い:他者に対する好悪感情の質
一般的な恋愛関係・恋愛心理でも『ラブ(love)とライク(like)は違う』と言われることはあるが、その場合には『ラブ(love)のほうがライク(like)よりも愛情が深くて、相手のために生きる重みがある』といった意味合いが込められている。
恋愛心理学では、ライク(like)は『ただ好きなだけの好意』とされ、ラブ(love)は『異性に対するロマンティックな愛情』とされることが多い。こういったラブとライクを区別する定義を行って心理測定尺度の『love-liking尺度』を作成したのは、心理学者のZ.ルビン(Z.Rubin)である。
『love尺度』は付き合っている恋人のほうが友人よりも高い点数となるように調整され、『liking尺度』は付き合っている恋人と友人との間であまり点数の差がない(あるいは友人のほうが少し高くなりやすい)ように調整されている。
はじめに被験者に、その人について考える人物(恋人・友人知人)を一人選んでもらい、それぞれの質問項目に対して9件法で答えてもらう。9件法の選択肢は『非常にそう思う・そう思う・ややそう思う・どちらかといえばそう思う・どちらでもない・どちらかといえばそう思わない・あまりそう思わない・そう思わない・全くそう思わない』である。
love(愛情)尺度
○もし〜さんが元気がなさそうだったら、真っ先に励ましてあげたい。
○全ての事柄について、〜さんを信頼できるという気がする。
○〜さんに欠点があってもそれを気にしないでいられる。
○〜さんのためなら、ほとんど何でもしてあげるつもりだ。
○〜さんを独り占めしたいと思う。
○〜さんと一緒にいられなければとても寂しい。
○私は一人でいる時には、いつも〜さんに会いたいと思う。
○〜さんが幸せになることが私の最大の関心事である。
○〜さんのことなら、どんなことでも許せる。
○私は〜さんを幸せにすることに責任を感じている。
○〜さんと一緒にいると、相手の顔を見つめていることが多い。
○〜さんから信頼されると、とても嬉しい。
○〜さんなしに過ごすというのはつらいことだ。
liking(好意)尺度
○〜さんと一緒にいる時、ほとんどいつも同じ良い気分になる。
○〜さんはとても適応力がある人だと思う。
○〜さんは責任ある仕事に推薦できる人だと思う。
○〜さんはとても良く出来た人だと思う。
○〜さんの判断力を信頼している。
○誰でも〜さんと知り合いになれば、〜さんを好きになると思う。
○〜さんと私はとてもよく似ていると思う。
○クラスやグループで選挙があれば、私は〜さんに投票するつもりである。
○〜さんはみんなから尊敬される人だと思う。
○〜さんはとても知的な人だと思う。
○〜さんは私の知り合いの中でも、最も好ましい人物だと思う。
○〜さんのような人間になりたいと思う。
○〜さんは賞賛されやすい人物だと思う。