『競争的達成動機』と『自己充実的達成動機』の達成欲求の心理テスト:社会・関係と個人内部の動機づけの欲求
困難な仕事や課題に立ち向かって成功させたいという二次的欲求として『達成動機・達成欲求』があるが、日本では堀野・森らによって『達成動機測定尺度(1987、1991)』が作成されている。達成欲求は大きく、社会的・文化的に価値のあることを達成したいという『社会的達成欲求』と人から肯定的に評価されなくても自分自身にとって価値のあることを達成したいという『個人的達成欲求』に分けることができる。
堀野らは社会的達成欲求を『競争的達成動機』へ、個人的達成欲求を『自己充実的達成動機』へと概念的に整理発展させる功績を残しているが、こういった達成欲求・達成動機の分類は分析心理学のカール・グスタフ・ユングの『外向性性格・内向性性格の動機づけの違い』とも一致する要素がある。
堀野・森の『達成動機測定尺度』において、典型的な『競争的達成動機』と『自己充実的達成動機』を問う質問項目には以下のようなものがある。
競争的達成動機の典型的な質問項目
○成功するということは、地位や名誉を得ることである。
○世の中に出て成功したいと強く願っている。
○物事を他の人よりも上手くやりたい。
○他人と競争して勝つと嬉しい。
○勉強や仕事で努力するのは、他の人に負けないためである。
自己充実的達成動機の典型的な質問項目
○いつも何か目標を持っていたい。
○人と競争することよりも、人と比べることができないようなことをやり遂げて自分を活かしたい。
○人に勝つことよりも、自分なりに一生懸命頑張ることが大事である。
○何か小さなことでも、自分にしかできないことをやってみたい。
○色々なことを学んで、自分を成長させて深めたい。