C.R.スナイダー(C.R.Snyder)とH.L.フロムキン(H.L.Fromkin)の『独自性欲求・ユニークネス欲求』:宮下の『ユニークさ尺度(1991)』における独自性欲求の4分類
自分が他者とは異なるユニークな存在でありたいという二次的欲求として『独自性欲求・ユニークネス欲求』があるが、自分が他者とは異なる独自の存在であるという認識は自己アイデンティティーの基礎を構成しており、自分にとって肯定的に解釈できる他者との差異は『自尊心・自己評価』を高めてくれる作用がある。
心理学者のC.R.スナイダー(C.R.Snyder)とH.L.フロムキン(H.L.Fromkin)は、それまでネガティブに評価されてきた『集団内の標準的特徴からの逸脱(ズレ)』をユニークな独自性としてポジティブに評価し、5つの因子から構成される『独自性欲求・ユニークネス欲求の心理測定尺度』を開発した。
『競争的達成動機』と『自己充実的達成動機』の達成欲求の心理テスト:社会・関係と個人内部の動機づけの欲求
C.R.スナイダーとH.L.フロムキンが肯定的な独自性と関係するとした5つの因子は『独立心・反同調性・改革性・達成・自尊心』である。
C.R.スナイダーとH.L.フロムキンのユニークネス欲求と関連した日本語版の心理テスト(心理測定尺度)としては、宮下の『ユニークさ尺度(1991)』というものがある。このユニークさ尺度では『他者の存在を気にするか否か』と『自己を積極的に表出するか否か』の下位尺度が設けられており、独自性欲求を『わが道型』『抑圧型』『自己中心型』『自己顕示型』の4つに分類している。
他者の存在を気にするか否かの典型的な質問項目
○ついつい自分と他人を比較してしまう。
○誰からも嫌われたくない。
○世間体を気にしてしまう。
○他人の行動をいつも気にしてしまう。
自己を積極的に表出するか否かの典型的な質問項目
○型にはまったことではなく、変わった目立つことをしたい。
○我を通すような行動が多い。
○人の話を聞くよりも、自分が話したいというタイプである。
○人から生意気だとかうぬぼれていると言われたことがある。
わが道型の独自性欲求……他者の存在を気にしない+自己を積極的に表出しない。
抑圧型の独自性欲求……他者の存在を気にする+自己を積極的に表出しない。
自己顕示型の独自性欲求……他者の存在を気にする+自己を積極的に表出する。
自己中心型の独自性欲求……他者の存在を気にしない+自己を積極的に表出する。