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2017年06月21日

[『成功恐怖(Fear of Success:FS)』と精神分析・ジェンダー論による説明]

『成功恐怖(Fear of Success:FS)』と精神分析・ジェンダー論による説明

ジークムント・フロイトが創始した精神分析では、『超自我(道徳的な自己規制)』が強すぎたり『自我(自分の欲求充足)』が弱すぎたりすることによって、『自分には成功・幸福が見合わない(失敗・不幸が似合っている)という心理状態』になることが知られている。

成功するだけの能力、幸福になれるだけの状況がありながら、なぜか失敗して不幸になってしまう人がいるが、そういった人にはこの『成功恐怖(Fear of Success:FS)・成功回避』の動機づけが無意識に働いていることが多いとされる。

自分自身を成功や幸福から遠ざけてしまう『成功恐怖(FS)・成功回避』の背景にあるのは、幼少期のトラウマや過度の厳しい躾(ダメだし)によって形成された『自己評価と自信の低さ・消極的な行動力の低さ』である。成功した後に更なる高度な要求・期待を押し付けられることへの恐怖、幸福を感じた後に今ある幸せを失ってしまうのではないかという不安、期待させた人たちを失望させてがっかりさせるのではないかという緊張なども影響している。

成功恐怖や成功回避は精神分析の分野だけではなく、フェミニズムやジェンダー論の分野でもM.S.ホーナーなどによって研究されてきた。“女性らしさ”を規定する伝統的な性別役割規範などの影響で、成功すると女性としての魅力・評価を失うのではないかと恐れる女性がかつては多かったからである。

M.S.ホーナー(M.S.Horner,1968)は、成功を自ら回避しようとする『成功恐怖(FS)』の否定的な感情は女性に多いと主張した。『社会的・経済的に立派な業績を上げて成功すること(社会的・経済的に成功して世間に賞賛されること)』が男性ジェンダーに属するとされ、そういった男女の性別役割規範の差異を女性自身が内面化していたために、女性は自分の力で社会経済的に成功することを『女性性(女性的魅力)の自己否定』として恐れることが多いとホーナーはいう。

女性の中でも特に実際に能力・意欲が高くて達成動機が強い女性のほうが、本気で能力を伸ばして努力を続ければ男性以上に成功してしまう可能性もあるために、成功恐怖は強くなりやすいとされた。フェミニズムやジェンダー論では、女性の成功恐怖の感情について、男性と同等以上に成功したいという願望と成功すると普通の女性ではいられなくなるという恐怖が同時に存在する『アンビバレント(両価的)な感情』として定義されている。

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posted by ESDV Words Labo at 09:44 | TrackBack(0) | せ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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