対人態度と一般的信頼感2:自分と他人への信頼と不信は両立する可能性がある
天貝由美子は発達心理学研究で他者に対する一般的信頼感を、『自分への信頼・他人への信頼・不信』で多元的(三次元的)に捉えた上で、『信頼感尺度(1997)』を作成しています。
[対人態度と一般的信頼感1:人一般をどれくらい信じるかを測定する『信頼感尺度』]
この心理測定尺度(心理テスト)では、他者を信じやすい人ほど騙されやすいという世間一般にある思い込みの先入観が否定されており、『自分や他者を信じること』と『人一般を疑う適度な不信感(注意深く用心深く判断する必要を感じること)』は両立し得ることが示されました。自分や他者への一般的信頼感が強いから、騙されやすい単純な性格行動パターンを持っているというわけではないのです。
天貝の『信頼感尺度』は青年期前期から老年期にかけての信頼感の発達的プロセスの変化が前提にされているが、中学生以上に実施することができ『成人版』も作成されている。『信頼感尺度』は全24項目から構成されており、『自分への信頼・他人への信頼・不信』に相当する代表的な質問項目は以下のようになっている。
回答は『1.全くあてはまらない、 2.、あてはまらない 3.余りあてはまらない、 4.少しあてはまる、 5.あてはまる、 6.非常によくあてはまる』の6件法で行う。回答の点数を合計して、点数が高いほどその信頼感(不信感)は強いということになる。
[自分への信頼]
○私は自分自身をある程度は信頼できる。
○私は自分自身が信頼に値する人間だと思う。
○自分自身について、今は実現していないことでも、いつかこうなるだろうと信じられることは多い。
○私は私で、決して他人には取って代わることの出来ない存在であると思う。
[他人への信頼]
○一般的に、人間は信頼できるものだと思う。
○これまでの経験から、他人もある程度は信頼できると感じる。
○私は現実に信頼できる特定の他人がいる。
○無理をしなくてもこの先の人生でも、私は信頼できる人と出会えるような気がする。
[不信]
○今心から頼れる人にもいつか裏切られるかもしれないと思う。
○過去に、誰かに裏切られたりだまされたりしたので、信じるのが怖くなっている。
○人は自分のためなら簡単に相手を裏切ることができるだろう。
○私の地位や立場が変われば、私自身も今とは全く違う人間になるだろう。

