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2017年07月17日

[精神分析の『自我防衛機制(ego-defence mechanisms)』と各種の神経症との相関関係:神経症と精神病の水準]

精神分析の『自我防衛機制(ego-defence mechanisms)』と各種の神経症との相関関係:神経症と精神病の水準

精神分析の『自我防衛機制(ego-defence mechanisms)』というのは、自分の自我を脅かす内的な不安・罪悪感から自分を守る心的機能であり、『抑圧・転換・投影・否認・否定・反動形成・合理化・知性化・隔離・分裂・投影同一視』などさまざまな種類がある。精神分析の心理面接では、自我防衛機制の評価について以下のようなポイントに注目する。

精神分析と自我・超自我による欲動のコントロール機能の評価:境界性パーソナリティー障害(BPD)の投影同一視

○自我防衛機制が『内的な安定・安心』を保つためにどのくらい役立っているか?

○自我防衛機制が適応的に機能しているのか、不適応状態を引き起こしているのか?不適応を引き起こしている場合には、抑圧によって神経症症状が出たり、否認によって現実適応が悪くなったり、反動形成によって人間関係のストレスが強くなりすぎたり、投影によって相手に理不尽な責任転嫁をしてこじれたりすることが多くなる。

○自我防衛機制を相手や状況に合わせて柔軟に使えているか、自我防衛機制の無意識的な発動に対してどれくらい意識化(言語化)することができるか?

○自我防衛機制が、自分にとって自然に感じられる『自我親和的』なものなのか、自分にとって違和感のある『自我違和的』なものなのか?

精神分析を基盤とする力動精神医学では、神経症の症状学的な類型化が行われており、それぞれの症状に対応する特有の自我防衛機制の種類が整理されているので、自我防衛機制についての心理面接を進めることで『自我関連の病理の程度・重さ』を知ることができる。

例えば、ヒステリーに特有の防衛機制としては『否認・抑圧』、強迫性障害に特有の防衛機制としては『肛門期への退行・反動形成・打ち消し・隔離』、境界性パーソナリティー障害や精神病水準に特有の防衛機制としては『原始的防衛機制の分裂(スプリッティング)・投影同一視・否認・理想化』などがあることが知られている。

こういった精神病理と防衛機制の相関関係を調べることによって、自我機能(パーソナリティー機能)の水準が『神経症水準・境界例水準・精神病水準』であるかを判定することができる。分裂・否認・投影同一視といった『原始的防衛機制』が強くなりすぎると、思考過程が歪められて妄想が生じやすくなり、自我の現実検討能力も障害されやすくなってしまう。

境界性パーソナリティー障害(BPD)やパラノイア(偏執狂・妄想症)では、特定の妄想領域に関してだけ分裂・否認・投影同一視などの原始的防衛機制が働くが、妄想と関係のない現実状況に対しては自我の現実検討能力が維持されている。それに対して、統合失調症のような精神病水準の場合には、広範な現実状況や現実の人間関係を適切に認識・判断することができなくなっており、自我の現実検討能力が広範に障害されてしまっているという違いがある。

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posted by ESDV Words Labo at 14:45 | TrackBack(0) | せ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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