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2017年08月12日

[ヘイザンとシェイバーの『アダルト・アタッチメント尺度』:愛着形成の3タイプ]

ヘイザンとシェイバーの『アダルト・アタッチメント尺度』:愛着形成の3タイプ

精神科医・精神分析家のジョン・ボウルビィ(John Bowlby,1907-1990)は、人間の精神発達過程や人間関係の傾向を説明する『愛着理論(attachment theory)』を提唱した。愛着理論でいう『愛着(attachment)』とは、乳幼児期に特定の近しい他者に対して形成される『情緒的な深い結びつき』のことである。

愛着が形成された他者と一緒にいると『安心感・安全感・信頼感・自己肯定感』などをはじめとする『居心地の良さ』を感じることができる。児童期・思春期・青年期以降にも人は親友・恋人・配偶者など親密な相手に対して愛着を形成することが多く、そういった相手と一緒にいる時には安心して居心地が良くなり、反対に決定的に別れてしまうと(二度と会えないような関係破綻になると)苦痛や孤独、寂しさ、怒りに悩まされることになりやすい。対象喪失の悲哀感にも、愛着の破綻や喪失が関係している。

1980年代前半までの愛着研究は、主に乳幼児期の母子関係に関わるものであり、乳幼児期の愛着以外の愛着を心理学的に測定・評価する心理テストが開発されていなかった。その後、1985年にメインらが成人の愛着を測定するための『半構造化面接法(成人愛着面接法)』を開発して発達心理学の分野で使用され始めた。1987年には、ヘイザンシェイバーが、成人の愛着測定のための質問紙法の心理テストを開発している。

ヘイザンシェイバーが開発した成人の愛着測定のための心理測定尺度は一般に『アダルト・アタッチメント尺度』と呼ばれている。ヘイザンとシェイバーは母子関係と恋愛関係の行動傾向の類似性に注目して、青年期・成人期の恋愛に愛着理論を適用し、『愛着形成のタイプ』を3つに分類したのである。

成人期の愛着形成のタイプは、乳幼児期の愛着パターンをベースにしており、『成人の親密な対人関係』についての3つの典型的な記述文から、1つを強制的に選ぶというシンプルなものになっている。『アダルト・アタッチメント尺度』は非常に分かりやすくて使いやすい心理測定尺度であるが、あまりに単純すぎるために微妙な愛着の個人差を測定できず、測定の誤差も分からないという短所も持っている。

成人向けの愛着理論・愛着測定方法のパイオニアである『アダルト・アタッチメント尺度』の3つの愛着タイプというのは『安定型・回避型・アンビバレント型』である。具体的な内容は以下のような記述分で示されており、その中から一つを選択する。

安定型(N=319,全体の約56%)……私は比較的容易に他人と親しくなることができ、またその人たちと気楽に頼ったり頼られたりすることができる。見捨てられることや、逆にあまりにも親しくしてくる人について、心配することはほとんどない。

回避型(N=145,全体の約25%)……他人と親しくなることは、私にとっていくぶん重荷である。私は他人を心から信頼することできないし、他人に頼ることもできない。誰かがあまりにも近づいてきたり、度々恋人が、私が快いと感じる以上に親密になることを求めたりするとイライラしてしまう。

アンビバレント型(N=110,全体の約19%)……他人は嫌々ながら自分と親しくしてくれていると思う。しばしば、恋人が私を本当に愛していないのではないか、私と一緒にいたくないのではないかと心配になることがある。私は他の人と完全に一体になりたいと思うが、この願望が時に人々を私から遠ざけてしまう。

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posted by ESDV Words Labo at 18:29| あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする