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2017年08月21日

[共感性(empathy)の認知的側面と情動的側面:『情動的共感性尺度』]

共感性(empathy)の認知的側面と情動的側面:『情動的共感性尺度』

共感性(empathy)とは他者の感情や思考を推測したり感情移入して汲み取ることで、その他者と類似した情動を体験する性質・特性のことである。

他者の言動や感情、生活、人間関係の共感的な理解はカール・ロジャーズのクライエント中心療法でも重視されているが、臨床心理学やカウンセリングではその場の相手の不遇・不幸を心配して思いやるだけの『同情(sympathy)』と相手の立場に立って相手と類似の感情を感じ取って理解しようとする『共感(empathy)』を定義的に区別している。

共感性は他者の立場・視点に立ったつもりで感情・思考・行動を理解しようとする『認知的側面(認知的共感性)』と、他者の感情(情動)の状態を知覚して自分自身も類似の感情を擬似体験する『情動的側面(情動的共感性)』に分けることができる。

ストットランド(1969)は共感性の情動的側面について、『他人が情動状態を経験しているか、または経験しようとしていると知覚したために、観察者に生じた類似の情動的な反応』と定義している。

共感性の情動的側面を測定するために開発された心理テストとして、メラビアンエプスタイン(1972)『情動的共感性尺度』がある。これを日本人向けの心理測定尺度に編集したものが、加藤・高木(1980)の『情動的共感性尺度』である。情動的共感性尺度は以下の『感情的温かさ』『感情的冷淡さ』『感情的被影響性』の三次元から構成されている。

以下の文章を読んで、『1.全く違うと思う、2.かなり違うと思う、3.どちらかといえば違うと思う、4.どちらともいえない、5.どちらかといえばそうだと思う、6.かなりそうだと思う、7.全くそうだと思う』の7件法で回答するようになっている。

尺度T 感情的温かさ尺度

1.私は映画を見る時、つい熱中してしまう。

2.歌を歌ったり聞いたりすると、私は楽しくなる。

3.私は愛の歌や詩に深く感動しやすい。

4.私は動物が苦しんでいるのを見ると、とても可哀想になる。

5.私は身寄りのない老人を見ると、可哀想になる。

6.私は人が冷遇されているのを見ると、非常に腹が立つ。

7.私は大勢の中で1人ぼっちでいる人を見ると、可哀想になる。

8.私は贈り物をした相手の人が喜ぶ様子を見るのが好きだ。

9.私は会計事務所に勤務するよりも、社会福祉の仕事をする方が良い。

10.小さい子供はよく泣くが、可愛い。

尺度U 感情的冷淡さ尺度

1.私は人が嬉しくて泣くのを見ると、しらけた気持ちになる。

2.私は他人の涙を見ると、同情的になるよりも苛立ってくる。

3.私は不幸な人が同情を求めるのを見ると、嫌な気分になる。

4.私は友人が悩み事を話し始めると、話をそらしたくなる。

5.私はまわりの人が悩んでいても、平気でいられる。

6.私は人がどうしてそんなに動揺することがあるのか理解できない。

7.私は他人が何かのことで笑っていても、それに興味をそそられない。

8.人前もはばからずに愛情が表現されるのを見ると私は不愉快になる。

9.私はまわりが興奮していても、平静でいられる。

10.私は映画を見ていて、まわりの人の泣き声やすすりあげる声を聞くと、おかしくなることがある。

尺度V 感情的被影響性

1.私は感情的にまわりの人からの影響を受けやすい。

2.私は友人が動揺していても、自分まで動揺してしまうことはない(逆転項目)。

3.私は他人の感情に左右されずに決断することができる(逆転項目)。

4.まわりの人が神経質になると、私も神経質になる。

5.私は悪い知らせを人に告げに行く時には、心が動揺してしまう。

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posted by ESDV Words Labo at 06:25| き:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする