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2017年08月23日

[男性・女性にとっての結婚のメリットとデメリット(コスト):なぜ現代人はなかなか結婚しないのか?]

男性・女性にとっての結婚のメリットとデメリット(コスト):なぜ現代人はなかなか結婚しないのか?

男性と女性に分けて『結婚のメリット・デメリット(コスト)』をまとめてみると、以下のような感じになってきます。これらのメリット・デメリット(コスト)には、古典的なジェンダーによる性別役割分担に依拠するものも含まれていますが、現代では『フルタイムの共働き世帯』が増えることによって、ジェンダーに依拠しない夫婦の平等な役割分担や女性の家計収入への貢献度も上がってきています。

結婚の一般的なメリットとデメリット

男性にとっての結婚のメリット

○妻の家事労働や身の回りの世話、家計の節約などのメリット。

○性的・恋愛的な満足、他人から承認される満足。特に美しくて魅力的な(自分が異性として好きになった)妻である場合。

○夫・父・一家の主としてのアイデンティティー獲得。権力・優越感・支配欲・父親性などによる満足。特に従順な妻や可愛い子供がいる場合。

○結婚による生活・関係の安定に基づく精神的な安定・安らぎ。一人前と思われる社会的信用・世間体の獲得。特に恋愛市場でモテない男性、恋愛のしづらい中年以上(30〜40代以上)の年齢を重ねた男性には有利となる。

○子供を持つことによる満足・安心。子育ての楽しみ、老後の相対的な安心感、財産を相続させられる子供など。

○結婚による人間関係・交友関係の広がり。親戚が増えたり学校・地域の知り合いが増えたりして、独身よりも社交的に社会参加する場が増えてくる。

○妻が地位・権威的職業・高所得・財産を持っている場合には、結婚による社会経済階層の上昇もある。

○結婚・子育て世帯に対する政治的な優遇策。税の控除・社会保険の充実・社会保障・住宅優遇・会社によっては家族手当ての賃金増加など。

○性別役割意識の満足度。特に男らしさ・父親らしさを満たしたい人にはメリットになり得る。

○大きな家に引っ越したり、家事を任せたりするなど、結婚によって空間・時間の自由度(相手には負担だが)が上がることもある。

男性にとっての結婚のデメリット

○妻の家事労働への不満、妻が節約できないなど家計負担の増大。

○妻以外の女性と恋愛・性行為ができない不自由、特に妻による性的満足を得られない場合には不満が大きくなる。

○将来のより良い相手との恋愛可能性を失ってしまう。特にモテる男性には不利になるが、誰しも年齢を重ねると純粋に良いと感じる相手との恋愛は難しくなっていく。離婚の難しさと離婚による慰謝料・養育費などのコスト。

○夫・父・一家の主としての自己アイデンティティーを得る代わりに、家族を扶養したり守ったりする義務と責任が重くなりプレッシャーがかかる。

○子育てに必要な労力と経済的負担、子供に一日の多くを縛られてしまうデメリット。

○結婚によって生じる親戚づきあいや地域行事・学校行事への参加の煩わしさ。社交性やボランティア意識の弱い人にとっては特にコストになる。

○妻の地位の低さ・職業や収入がないことによる社会経済階層の低下。

○独身者(単身世帯)に対する優遇政策や社会保障強化。

○男女平等意識・男性(父親)の権威否定に対する不満。特に働いてもあまり感謝しない妻、給与額への不満が多く(自分もパートで働いているからと)何の世話もしてくれない妻などへの不満。

○結婚によって失う自由の程度。

○家事労働を代替してくれる安価な製品・サービスの増加。

女性にとっての結婚のメリット

○経済的安定の獲得、経済的責任の過半を夫に頼れること。特に扶養される女性にとってのメリット、自分にキャリアや貯蓄がなくても夫の収入・財産で経済的安定が得られるメリット。

○性的・恋愛的な満足、他人から承認される満足。特に格好良くて魅力的な(自分が異性として好きになった)夫である場合。

○結婚による生活・関係の安定に基づく精神的な安定・安らぎ。一人前と思われる社会的信用・世間体の獲得。特に恋愛市場でモテない女性、恋愛のしづらい中年以上(30〜40代以上)の年齢を重ねた女性には有利となる。

○家事・育児・介護などに対する適性・満足度。現在では仕事をしながらの家事育児も多いが、特に専業主婦・パート主婦にとっては外でフルタイムで働くより、自宅で家事・育児・介護のほうがまだ良い(好き)とする価値観の人にはメリットもある。

○子供を持つことによる満足・安心。子育ての楽しみ、老後の相対的な安心感、財産を相続させられる子供など。

○夫が扶養してくれたり生活費の大部分を負担してくれる場合には、嫌なフルタイムの仕事を続けなくて良くなる。

○結婚による人間関係・交友関係の広がり。親戚が増えたり学校・地域の知り合いが増えたりして、独身よりも社交的に社会参加する場が増えてくる。

○夫が地位・権威的職業・高所得・財産を持っていたり成功した場合には、結婚による社会経済階層の上昇もある。

○結婚・子育て世帯に対する政治的な優遇策。税の控除・社会保険の充実・社会保障・住宅優遇・会社によっては家族手当ての賃金増加など。

○性別役割意識の満足度。特に女らしさ・母親らしさを満たしたい人にはメリットになり得る。

○大きな家に引っ越したり、家事を任せたりするなど、結婚によって空間・時間の自由度(相手には負担だが)が上がることもある。

女性にとっての結婚のデメリット

○働き続けていれば得られた収入・昇進を結婚・出産によって失うことがある。特に夫の収入が低い場合には、収入減少が家庭生活を圧迫する。有能で労働意欲の高い女性だと扶養される屈辱・発言力低下もデメリットになる。

○仕事の将来性や昇進機会(キャリア上昇)、面白さ、やりがいなどを結婚によって失う程度。社会的・職業的な自己実現が阻害されてしまう可能性がある。

○夫以外の男性と恋愛・性行為ができない不自由、特に夫による性的満足を得られない場合には不満が大きくなる。

○将来のより良い相手との恋愛可能性を失ってしまう。特にモテる女性には不利になるが、誰しも年齢を重ねると純粋に良いと感じる相手との恋愛は難しくなっていく。離婚の難しさと離婚による慰謝料などのコスト。

○妻・嫁・母親としての自己アイデンティティーを得る代わりに、家事・育児・介護の義務と責任が重くなりプレッシャーがかかる。

○子育てに必要な労力と経済的負担、子供に一日の多くを縛られてしまうデメリット。

○結婚によって生じる親戚づきあいや地域行事・学校行事への参加の煩わしさ。社交性やボランティア意識の弱い人にとっては特にコストになる。妻は子供がいなくても行動の自由を夫に制限されることもあり、夫の束縛の度合いによっては友人知人と自由に遊び・外泊にも出かけにくくなる。

○夫の地位の低さ・職業や収入がないこと(経済的・職業的に挫折すること)による社会経済階層の低下。

○独身者(単身世帯)に対する優遇政策や社会保障強化。

○男女平等意識・女性が男性に経済的に守られなくなることに対する不満。特に結婚したのに結婚前以上にハードな仕事をしなければならなくなったり、家庭生活にお金の余裕がなく旅行・買い物の楽しみが少ないなど。

○結婚によって失う自由の程度。

非婚化・未婚化が進んでいる現代社会(先進国)では、上記した『結婚のメリット』が男女共に減少している傾向があり、更に『結婚しなくても恋愛・交遊だけでも得られる同じようなメリット』も増えています。親や親戚、周囲の人たちによる『○歳までには結婚しなさい』というような圧力や干渉が弱まり、結婚が各人の自由選択に任せられることが多くなったことも非婚化・未婚化の一因ではあるでしょう。

過去には結婚していない男女が性交渉を持つ婚前交渉・婚外交渉は絶対的なタブー(禁忌)でしたが、現代では自由恋愛が普及して学生同士の恋愛でも性的関係を持つことは珍しくなくなり、長期的・継続的な特定の相手との性交渉を意図しないのであれば(恋愛だけでは途中で別れることになる可能性が高いので)、結婚しなければ性愛のメリットを得られないという状況ではなくなっています。

結婚した夫婦が生涯連れ添って助け合うという前提も、『離婚件数の増加・熟年離婚の増加』で崩れてきており、『絶対的な永遠のパートナー』という結婚の崇高な神聖性や安心感のようなものを持ちづらくなったことも非婚化に影響しているでしょう。『精神的な安定・安心』を持つために結婚したいという人も多いわけですが、結婚相手や自分の性格・対応・経済状況が大きく変化してしまえば、逆に結婚しているために精神的ストレスや不満感・不安感が強まってしまう恐れもあるわけです。

現代では結婚が『義務・常識』から『選択・決断』に変わってきたこと、正規雇用で安定した所得を得られる人(ハードな正規雇用の労働環境に長く適応できる人)が減ってきたこと、収入が少なくて不安定な非正規雇用の人が増えたこと、妥協せずに本当に自分が魅力的で良いなと思った相手としか結婚したくないという高望みが増えてきたことが『非婚化・未婚化』の主要な原因になっています。

それと併せて、上で書いたような『結婚のメリット』が男女共に減って『結婚のデメリット(コスト)』が男女共に増えていることが、結婚・出産育児を選択できない(選択しない)若者が増える原因になっているのです。

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posted by ESDV Words Labo at 09:17| け:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする