現代日本における非婚化の要因3:結婚による制限・束縛の増加をメリットと感じづらくなった
現代人が結婚しづらくなっているもう一つの理由として、『各種の制限の増加』も挙げることができる。結婚すれば行動の範囲や人間関係・異性関係の自由が大幅に制限されやすくなる。結婚後に夫婦関係が冷え込んで、他の人を好きになり恋愛や性的な行動に実際に移せば『不倫(貞操義務違反)』となる。不倫をした場合には、自分が有責となって『慰謝料・養育費』などを支払わなければならない離婚原因ともなる。
現代日本における非婚化の要因2:結婚のコスト増加と結婚の夢・希望のイメージの弱さ
生活状況の変化や刺激・誘惑の多い現代社会では、人や環境にもよるが、『数十年以上にわたる期間(結婚後の生涯)をただ一人の配偶者だけを愛してその人以外と異性関係を一切持たずに過ごすこと』が難しくなっていることも、『情熱的な恋愛の勢いや運命の感覚がなくなったカップル』の結婚の決断を鈍らせやすくする。
結婚すれば、仕事が終わったら早く帰らなければならない、相手によっては行動や携帯電話をチェックされる恐れもある、下心なしで異性と食事などに行っても問題視されるなど、『生活リズム・人間関係の制限』は独身と比べてかなり多くなり(子供がいればなおさらに)責任・義務も増えてくる。
結婚という二人の気持ちだけでは済まされない社会的契約には、『法的・道徳的・慣習的な義務と制約』が非常に広範に張り巡らされており、『自由な自分の人生』のかなりの部分を捨てて配偶者と子供のいる家庭をメインにする覚悟がないと長続きしないのも事実としてあるのである。
『離婚・DV・モラハラ・児童虐待の増加』なども、コストやデメリット、制約が増えた現代の結婚の魅力(絶対にこの人と結婚したいとする熱意・行動力)を相対的に低下させている可能性がある。
一人の異性と一生連れ添うという前提の結婚制度は、かつては『好きな異性あるいは稼げる異性を独占できる(簡単には一方的な理由で別れることができない)』や『経済的な安定安心を得られる(正規雇用・終身雇用の男性を捕まえた女性は特に暮らしに困らないとされた)』というメリットが大きかったのだが、現代では逆に『嫌いになってもモラハラがあっても失業・貧困化しても簡単には別れられないデメリット』として受け取られやすくもなっている。