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2017年09月01日

[非婚化の原因としての『恋愛結婚の自由市場化・恋愛格差・モテ格差』:非婚者の4類型]

非婚化の原因としての『恋愛結婚の自由市場化・恋愛格差・モテ格差』:非婚者の4類型

現代の未婚率上昇の原因として、『出会いがない+異性の選り好み(高望み)』というのも大きい。これは恋愛・性が自由化してマスメディアで『(全体では数の少ない)イケメン・美人』が持て囃され、競争原理が働くようになったことで、男女共に恋人・配偶者に求める基準が高くなり、自分以上の魅力を持つ異性ばかりを求めるために『男女のミスマッチ(男女双方の高望みによる妥当で適切な相手とのすれ違い)』が起こりやすくなったということである。

現代日本における非婚化の要因3:結婚による制限・束縛の増加をメリットと感じづらくなった

1980年代以前の皆婚時代の『義務的な結婚』は、そもそも、異性として好きでたまらない魅力的な相手とばかり皆が結婚していたわけではない。『生活維持(妻子の扶養)・子供を持つ・世間体・親世代の結婚圧力』を中心にした条件面をすり合わせる結婚のほうが多かったため、大多数の人は多少異性としての魅力がない相手であっても、適齢期にお見合いや周囲のすすめ、自分を求めてくれる相手に従って次々に結婚していったものである。

しかし現代の『選択的な結婚・幸福追求の結婚』では、『自分が異性として好きになれて、経済生活・子育ても十分に成り立つような高い基準を満たす相手』とでないと無理をしてまで結婚する必要がないという人が増えたため、かつてのように適齢期に焦って相手の細かい部分にこだわらずに結婚する人は激減してしまった。妥協してまで世間体に合わせてまで、そこまで好きになれない相手(積極的に一緒にいたいわけではない相手)と生活・子供のために結婚したくないという人の割合が過去より格段に増えた結果とも言える。

本当に好きな異性が早くからいて早くから実家を出ている人(低学歴・肉体労働などで結婚のコストやデメリットなどをあれこれ思慮しない人)は『早婚』になることもあるが、婚前からの『恋愛経験・性経験』が増えて『芸能界・メディアの影響による魅力的な異性像』を基準化しやすい現代人は、ますます日常的に出会う凡庸な異性に惹かれづらくなり(誰もが良いと感じる魅力的な異性は自分よりも魅力のある別の同性から先に取られやすく)、一生を連れ添う契約である結婚を出来なくなっているのである。

『恋愛格差・モテ格差』『恋愛や結婚の相手に求める基準上昇』が、現代の未婚化晩婚化・恋愛の低調化に一定以上の影響を及ぼしていると考えられる。昔は男性であれば『学歴・職業・収入』だけが基準を満たしていれば結婚相手としては良い相手とみなされたものだが、現在では『性格・容姿・風貌・コミュニケーション能力』などの総合的魅力を踏まえて相手選びをする女性が増えていて、いくら高学歴で大企業で働いていても容姿がいまいちというだけで婚活ではともかく恋愛では相当に不利になってしまう。

今は医師・医学部生・東大卒のような学歴・職業階層のトップ層であっても、それだけで自分の好みのタイプの美人な女性にモテる時代ではなくなっていて、外見や性格、コミュニケーションの総合的魅力が問われやすいのである。女性側も同じで、かつては『家事育児をそつなくこなしてくれる適性・優しい世話焼き・親戚づきあいや地域社会への適応』があればそれで結婚相手として十分と思ってくれる男性が多かったが、今では『性格・容姿・風貌・コミュニケーション能力』が総合的に見られやすくなっている。バリバリ働いている高学歴・高所得の女性も(自分よりも優れた女性は男性側の自尊心を傷つけたり家庭の主導権を奪われそうなどの理由で)恋人や配偶者としては余り好まれない傾向がある。

『恋愛格差・モテ格差』を原因として結婚しない人には、容姿・仕事・収入・年齢・性格・コミュニケーションなどから頑張って努力しても『モテない人』もいるが、容姿がそこそこ良かったり平均よりはお金持ちだったり、相手を楽しませる会話が上手だったりである程度はモテる要素を持っているが、自分以上の魅力を持つ異性ばかりを求める『高望み・ミスマッチ』によって結婚しない人もいる。

皆婚時代には『モテない人(総合的な資源が少なく自由恋愛市場では不利な人)』であっても、親・親戚や地域社会が何とか釣り合いそうな相手との見合いを組んで半強制的に結婚させられていたが、現代ではそういった親族・地域社会での結婚相手の紹介の仕組みが崩壊し、更に本人の恋人・配偶者に求める基準も上がっているので紹介しても受け入れないケースが増えてきたのである。

前者の『モテない人』は相手を頑張って見つけようとしても見つからない人(どんなに基準を下げても見つからない人)であるが、恐らく現代の未婚者はそこまであらゆる人にモテない人(受け入れられない人)は少ないはずである。大半の未婚者はあまりモテなくても、自分に妥当な相手であれば見つけようとすれば見つけることができるはずだがそれには納得・満足せずに、『容姿・職業・収入・年齢などの自分の理想・希望に見合う相手(客観的には高望みになる相手)』を求めてそちらには振り向いてもらえない、別のもっと魅力ある同性から取られているということであろう。

現代社会の未婚者・非婚者には様々な理由・原因・事情が想定されるが、大きく分ければ以下の4つの類型に分けることができるだろう。

1.異性にモテないために努力しても相手が見つからない人。

2.理想(妥協できる基準)が高く高望みするために相手が見つからない人。

3.恋人はいるが経済的事情などで結婚はしない人。

4.恋人・結婚へのこだわりが薄く、自立していてマイペースで自由に生きたいという人。

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posted by ESDV Words Labo at 08:34| け:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする