『親役割診断尺度(PRAS:Parental Role Assessment Scale, 1993)』の質問項目2:現代の親役割を『干渉・受容・分離不安・自立促進・適応援助・自信』の軸で考える
『親役割診断尺度(PRAS:Parental Role Assessment Scale,1993)』では、思春期・青年期の子供の発達課題である『第二の分離-個体化』に焦点が合わせられており、親の側の役割(発達課題)として『子供の心理的・社会的な自立を促進する関わり方』が重要視されている。
『親役割診断尺度(PRAS:Parental Role Assessment Scale, 1993)』の解説1:現代の親子関係における親の権威喪失と親役割の曖昧化
PRASで親役割を測定する尺度項目としては、『干渉・受容・分離不安・自立促進・適応援助・自信』が設定されている。
干渉……子供の勉強や生活態度、交友関係などに対してうるさく何度も注意したり要求したりするか。
受容……親子間でコミュニケーションが取れているか、親が子供の考え方や行動の理由を理解しているか。
分離不安……親が子離れできているか、自立しようとしている子供に無理に干渉していないか。
自立促進……子供の心理的成長を理解して、子供の自立を促進する働きかけをしているか。
適応援助……子供が新しい経験をする時や難しい課題に挑戦する時に、親が子供を援助しているか。
自信……自分自身の子育てや子供との関わり方に自信を持っているか。
親役割診断尺度(PRAS:Parental Role Assessment Scale)
主要な質問項目を掲載しています。親であるあなた自身のことについての質問です。「はい・いいえ・どちらでもない」の3件法で答えて下さい。
○干渉
1.「勉強しなさい」と言っては、うるさがられることが多い。
2.気がついたら子供に小言を言っていることがよくある。
3.家での生活について、注意すれば逆効果だと思いながらつい言ってしまう。
4.子供を褒めるより叱ることの方が多い。
5.子供の欠点がどうしても目についてしまう。
6.子供が言うことを聞かないとイライラする。
○受容
1.子供が日頃何を考えているかは大体分かっている。
2.今でも子供は学校のことをよく話してくれる。
3.子供と話をするのが好きである。
4.子供の外出先についてはいつも把握している。
5.子供と意見が異なる時はお互いが納得いくまで話し合う。
6.最近親子の会話が少なくなって淋しい。
○分離不安
1.子供が家にいない時は何か物足りない気がする。
2.結婚しても同居か、または近くに住んで欲しい。
3.子供のいない生活など考えられない。
4.大学や就職先は家から通える所にしてほしい。
5.子供に早く大人になって欲しい反面、私から離れていくのが淋しい。
6.悩みがあれば、友達よりまず自分に打ち明けて欲しい。
○自立促進
1.人生で出会う困難を、子供は自分の力で十分克服していけると思う。
2.子供は親に頼らず生きていけるくらい、精神的に成長していると思う。
3.子供は仮に悩みが生じても、自分自身で解決していくだろうと思う。
4.子供はやりたい道を自分で切り開く力を持っていると思う。
5.進路のことについては、すべて子供に任している。
○適応援助
1.小さい頃から子供の勉強はずっと見てきたし、今でも分かる範囲で見てやりたい。
2.子供に必要な情報は、常に私が集めてきた。
3.良い友達と付き合うように、いつも配慮してきた。
4.子供が宿題などで困っていると、手伝ってあげたいと思う。
5.子供の成長に必要なものは、早めに与えてきた。
6.いい本は、できるだけ私が選んで与えるようにしてきた。
○自信
1.子育てのやり方で子供に済まないと思う面がある。
2.子育てについて後悔することが多い。
3.私は子供の育て方を間違ったかもしれないと思う。
4.子供に問題があるのは、私のせいであると思う。