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2007年09月10日

[学習理論の高原現象(plateau phenomenon)]

学習理論の高原現象(plateau phenomenon)

知識学習や技術学習をする時に、その上達の程度を示す学習曲線は一直線に伸びていくわけではなく、何処かの時点で停滞して上達のスピードが落ちることがある。学習時間をどれだけ延長しても学習効果が殆ど上がらなくなる現象を『高原現象(plateau phenomenon)』というが、その名前の由来は「上達が停滞した学習曲線の平坦な部分」が高原(plateau=プラトー)のように見えるからである。高原現象は『一つの課題』を連続してやり過ぎたり、『身体的疲労』が蓄積し過ぎたり、『精神的ストレス』が強まりすぎたりすることで起こってくるもので、生得的な知能指数の高低は殆ど影響しないとされる。

学習効果が停滞して伸び悩みの状態に陥る高原現象は、心理臨床分野でも行動療法の課題や認知療法のワークシートなどで見られることがある。教師・医師・カウンセラーなど人間の成長や回復を目指す『継続的な学習行動』に関わる人たちは、生徒・患者・クライアントの学習効率を高めるという意味で『高原現象の改善や回避』に意識的でなければならない。高原現象が起きる原因とその対策についてまとめると以下の5つに絞り込むことができるが、連続して長時間同じ課題に取り組めば誰でも必然的に高原現象を呈するようになってしまう。

1.内発的モチベーションや外部的インセンティブなど動機づけの低下=モチベーションを高められるような面白い学習課題を準備したり、オペラント条件付けの原理を利用して成果・成績に応じた報酬(賞賛・景品など)を与える。

2.単純作業の反復による集中力や思考力の低下=学習課題に色々なバリエーションをつけるようにして、学習内容(学習の習慣)に対するマンネリズムを防止する。部屋の内装や文房具、パソコンの周辺機器などの学習環境を変えて気分転換する。

3.身体的疲労や精神的ストレスの蓄積=人間には個別的な学習行動への適性とフラストレーション(欲求不満)への耐性がある。その為、身体の疲れや精神的なストレスが強くなりすぎた場合には睡眠や休養を取ってから、学習を再スタートしたほうが効率的に勉強を進められる。

4.学習方法への不適応(間違った学習方法の選択)=その人の知的水準(知能指数)や学習スタイルによって、『学習効率の良い学習方法』には違いがある。練習問題をどんどん難しい方向へと解いていく方法が適している人もいれば、参考書の基礎知識をしっかり読み込んでから練習問題に取り組んだほうが良い人もいる。その人に最も相応しい学習方法を見つけて、無理のない学習プランと学習スタイルを確立することが大切である。

5.学習目的の喪失=何のために学習・勉強しているのか分からなくなったときに、学習効率は落ちてしまう。その為、『自分なりの学習目標(学習の意味や目的)』を設定させてから学習に取り組ませたほうが良いし、子どもの場合であれば、今回は75点だったから次は90点を目指して頑張ろうというような単純な目標でも意欲上昇に効果的である。また、子どもの学習意欲は、両親や教師がどれだけ『子どもの学習成果』を高く評価して褒めてあげるかによって変わってくるので、その子どものレベルに見合った努力や成績を強く肯定して褒めてあげることも重要である。



posted by ESDV Words Labo at 06:24 | TrackBack(0) | こ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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